こんにちは。かわ吉です。
今回は、アライアンス・バーンスタイン・世界SDGs株式ファンド(予想分配金提示型)に投資することで安定したインカムが狙えるかということについて考えてみようと思います。
このファンドの投資対象は、日本を含む世界各国の株式になります。
特にSDGs達成への貢献が期待される日本を含む世界各国の企業の株式に投資します。
SDGsとは、貧困や不平等、環境破壊などの様々な問題を解決することを目指す、世界共通の目標です。
私が投資信託を分析するときは、具体的なテーマは重要視しません。
重視するのはポートフォリオの中身です。ポートフォリオを金利敏感株・景気敏感株・ディフェンシブ株の3つに分けてリスク・リターンを分析しています。
金利敏感株:金利動向に大きく影響を受ける株式 リスク高
景気敏感株:景気動向に大きく影響を受ける株式 リスク高
ディフェンシブ株:金利・景気動向ともに影響を受けにくい株式 リスク低
分かりやすくまとめると、ポートフォリオに金利敏感株や景気敏感株の比率が高ければリスク度合いが大きいファンドであり、逆にこれらの比率が小さくディフェンシブ株の比率が高いポートフォリオはリスクが低いということです。
今回もこの観点で、アライアンス・バーンスタイン・世界SDGs株式ファンド(予想分配金提示型)を分析してみます。
この記事を読んでいただくことで、ファンドと投資家のミスマッチを防ぐことが出来れば幸いです。
ではいきましょう。
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①ファンドの概要
まずはこのファンドの概要から解説します。
運用会社 | アライアンスバーンスタイン |
基準価格 | 9,819円 |
純資産 | 33,063百万円 |
信託報酬 | 1.62% |
償還日 | 2031年4月25日 |
カテゴリー | 国際株式・グローバル・含む日本 |
運用年数 | 1年 |
ヘッジ | なし |
基準価格は10,000円前後でインカムを狙える水準で問題なしです。純資産も330億円あり早期償還のリスクも低めです。信託報酬は、年1.62%ということで少し高めの設定になっています。
続いて分配方針について見てみましょう。

分配方針は、予想分配金提示型の雄であるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースと同様です。
②ポートフォリオの分析
ファンドの概要がざっくり分かったところで、ポートフォリオの中身を分析してみます。
まずはセクター配分から見てみましょう。

主力は情報技術でサブとしてヘルスケア・資本財・金融が組み込まれているイメージですね。
ではこのポートフォリオを金利敏感株・景気敏感株・ディフェンシブ株の3つに分けてみましょう。

3つに分けるとリスクの高い金利敏感株と景気敏感株でポートフォリオの約70%を占めていますから、比較的リスクが高いファンドという認識でOKです。
現にアライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dコースの基準価格と比較してみるとそれが良く分かります。

ほぼ同じような動きになっています。だから、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dコースホルダーはこのファンドを購入しても分散効果はかなり薄いと思います。
③分配金実績は??
直近1年の分配金を見てみましょう。
比較対象もあった方がイメージしやすいのでアライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dと比較もしてみます。
比較した結果がこちらです。

直近1年間の分配金は、アライアンス・バーンスタイン・世界SDGs株式ファンド(予想分配金提示型)が800円でアライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dコースが1,600円となりました。その差は2倍です。
アライアンス・バーンスタイン・世界SDGs株式ファンド(予想分配金提示型)の分配金も決して悪くはないですが、このファンドと同等のリスクで2倍の分配金が狙えるファンドがあるのであれば、投資する魅力はかなり薄れる印象です。
④結論:そこまで魅力的なファンドではない
アライアンス・バーンスタイン・世界SDGs株式ファンド(予想分配金提示型)は、現時点においてインカム面での投資価値はないと思います。
その理由は、同等のリスク度合いで約2倍の分配金を狙えるファンドが存在しているからです。インカム狙いで投資するなら、このファンドではなくアライアンスバーンスタイン米国成長株投信DコースでOKだと思います。
以上、お役に立てれば嬉しいです。