AB米国成長株投信 予想分配金提示型

【このまま保有してOK?】アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の組入銘柄TOP10の推移 【前編】

2022年6月3日

こんにちは。かわ吉です。

アライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースの基準価格の動きが冴えません。

これは金利敏感株の比率が高い当ファンドは、今のインフレと金利上昇局面にはめっぽう弱いからです。

出所:楽天証券

Dコースは、円安の恩恵もあり下落率は抑えられていますが、基準価格は5/27時点でCコースが8,608円、Dコースが9,908円とかなり2021年と比較すると大きく下落しています。

AB米国成長株投信C・Dコースは予想分配金提示型です。これは予め決められている分配方針に従って毎月の分配金を受け取ることができる仕組みです。

ちなみにこのファンドの分配方針は以下になります。

出所:アライアンスバーンスタイン

過去の実績から分析すると、基準価格が10,000円を下回ると分配金が0になる傾向があります。つまり、C・Dコースともに今の基準価格の水準では分配金が狙えません。

このような状況なのでこのファンドのホルダーさまも今後の先行きに不安を感じていると思います。

しかも、このファンドのポートフォリオの主力であるGAFAM(アップルは組み込まれていませんが)についてもかなり逆風が吹いています。

AB米国成長株投信の下落が、相場環境によるものであれば良いですが、GAFAM相場の終焉であればこのファンドの先行きに一抹の不安を覚えます。

このインフレが収まりFRBの金融政策の利上げも終わりに近づいたとき、このファンドの基準価格が本当に戻って再び分配金を受け取ることができるのか??

今回は、この検証をしてみようと思います。

検証方法としては、2014年以降の組入銘柄TOP10の推移を比較していきます。(本来は2006年から調査したかったですがデータが見つからなかったのでごめんなさい)

しっかり組入上位10銘柄が変化していれば、相場環境に合わせて機動的に銘柄を選定していることになると思います。一方で、組入上位10銘柄に大きな変化が無ければ、GAFAM相場が終焉を迎えたときに、基準価格の動きが鈍くなる可能性もあります。

少しだけホルダーの方にとっては恐ろしい検証ですがやっていきます。

この記事を読んでいただくと以下のメリットがあります。

AB米国成長株投信C・Dコースの2014年以降の組入銘柄の推移が分かる

このファンドは機動的に銘柄を入れ替えて変化に対応してきたのか分かる

各年の株式相場についても復習するのでシンプルに面白い

私がホルダーであれば絶対にすることが分かる

この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。

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①2014年6月

銘柄名業種
1アップルテクノロジー・ハードウェアおよび機器
2VISAソフトウェアサービス
3ギリアド・サイエンシズ医薬品
4アラガン医薬品
5バイオジェン・アイデック医薬品
6コムキャストメディア
7CVSヘルス食品生活必需品
8ダナハーコーポレーション資本財
9プライスライン・
グループ
小売
10グーグルソフトウェア・サービス
出所:アライアンスバーンスタインのデータを元にかわ吉作成

この期間は、情報技術セクターの銘柄もありますが、医薬品関係の銘柄が多いことも気付きの1つです。

ポートフォリオ全体の投資別セクター比率はこちらになります。

出所:アライアンスバーンスタインのデータを元にかわ吉作成

しかし、これでは少し分かりにくいのでもっとシンプルに見てみましょう。

セクター別投資比率を、金利敏感株(金利動向に敏感な株)・景気敏感株(景気動向に敏感な株)・ディフェンシブ株(金利や景気動向に左右されにくい株)の3つ分けた結果がこちらになります。

ちなみにどのセクターが、この3つのうちどれに該当するかはこちらの記事で解説していますのでまずはコチラの記事を読まれることをオススメします。

出所:アライアンスバーンスタインのデータを元にかわ吉作成

今のポートフォリオとはかなり形が異なっていますね。今は金利敏感株の比率が約50%を占めていますから。金利敏感株より景気敏感株とディフェンシブ株の比率が高いことには驚きました。最近のAB米国成長株投信のPFを見ていると、金利敏感株メインのファンドの認識でしたから。

では復習がてらこの期間の投資環境について振り返ってみましょう。

【株式市場】

米国株式市場は、期初から米連邦準備委員会(FRB)が長期にわたり低金利を維持するスタンスを示したこと、米経済指標の改善、米国企業のM&Aの活性化などを受けて上昇基調となった。2014年9月下旬から10月上旬にかけては中東情勢の緊迫化や国際通貨基金(IMF)による世界経済成長見通しの下方修正、米早期利上げ観測、エボラ出血熱の感染拡大懸念などが嫌気され株価は大きく下落しましたが、その後は良好な米経済指標や米企業決算、FRBが低金利維持を再度確認したこと、中国での約2年ぶりの利下げ実施など好材料が相次ぎ反発しました。12月上旬にかけては、原油の需要減退懸念を背景とした価格下落を受けて、世界的な景気減速懸念が高まったことなどから再び下落した。

この局面は、『利上げの可能性がある+景気動向は強い』相場だったので金利敏感株の比率は落として景気敏感株の比率が高いのは、良いPFだと思います。

ただ、これは相場を先読みした結果というよりは、上記のような相場になってことで組入されている金利敏感株の株価が落ちて、景気敏感株の株価が上がった結果と捉えた方が自然ですね。

いずれにしても、セクターがしっかり分散されているのでバランスの良いPFであることは間違いないと思います。(利上げの可能性が高いタイミングで金利敏感株だけのPFは間違いなくボコボコですから。。。)最近で言うと、グローバルAIファンドをイメージすると分かりやすいですね。

②2015年6月

銘柄名業種
1アップルテクノロジー・ハードウェアおよび機器
2ユナイテッドヘルスケアGヘルスケア機器・サービス
3バイオジェン医薬品
4CVSヘルス食品・生活必需品小売
5フェイスブックソフトウェア・サービス
6VISAソフトウェア・サービス
7ホームデポ小売
8ディズニーメディア
9ギリアド・サイエンシズ医薬品
10グーグルソフトウェア・サービス
出所:アライアンスバーンスタインのデータを元にかわ吉作成

2014年と比較すると、ダナハー、プライスラインG、アラガン、コムキャストの4銘柄が外れて、フェイスブックやユナイテッドヘルスG、ホームデポ、ディズニーの4銘柄が新たに仲間入りしました。

この期間のPF全体の投資別セクター比率は以下になります。

出所:アライアンスバーンスタインのデータを元にかわ吉作成

セクター別投資比率を、金利敏感株(金利動向に敏感な株)・景気敏感株(景気動向に敏感な株)・ディフェンシブ株(金利や景気動向に左右されにくい株)の3つ分けた結果がこちらになります。

出所:アライアンスバーンスタインのデータを元にかわ吉作成

2014年と比較した場合の投資比率の変化結果は以下になります。

金利敏感株:▲2%

景気敏感株:+0.1%

ディフェンシブ株:+3.2%

若干の変動はありますが、2014年のPFと比較すると大きな変化は無さそうです。

ではこの期間の相場環境を振り返ってみましょう。

【株式市場】

2015年8月に中旬にかけては、堅調な米国経済指標や活発化する企業のM&Aなどが好感される一方、ギリシャ債務問題や原油価格の下落が懸念され、上値の重い展開が続きました。8月下旬には、中国人民元の切り下げ、銅や原油価格の下落継続などを背景にグローバル経済の減速懸念が強まったことから株価は大幅下落しました。その後期末にかけてはドイツ大手自動車メーカーの排ガス規制問題などが嫌気され調整する局面もあったものの、米連邦準備理事会(FRB)が早期利上げを見送るとの見方や良好な米国の企業決算、中国の金融緩和などを材料に投資家のリスク選好が改善し、おおむね上昇基調となりました。

③2016年6月

銘柄業種
1フェイスブックソフトウェア・サービス
2アルファベットソフトウェア・サービス
3アップルテクノロジー・ハードウェアおよび機器
4ホームデポ小売
5ユナイテッドヘルスGヘルスケア機器・サービス
6VISAソフトウェア・サービス
7バイオジェン医薬品
8インテュイティブサージカルヘルスケア機器・サービス
9CVSヘルス食品
10スターバックス消費者サービス
出所:アライアンスバーンのデータを元にかわ吉作成

2015年と比較するとギリアドサイエンシズ、ディズニーの2銘柄が外れて、インテュイティブサージカルとスターバックスの2銘柄が新たに仲間入りしました。

この期間のセクター別投資比率は以下になります。

出所:アライアンスバーンのデータを元にかわ吉作成

セクター別投資比率を、金利敏感株(金利動向に敏感な株)・景気敏感株(景気動向に敏感な株)・ディフェンシブ株(金利や景気動向に左右されにくい株)の3つ分けた結果がこちらになります。

出所:アライアンスバーンのデータを元にかわ吉作成

2015年と比較した結果は以下になります。

金利敏感株:+6.9%

景気敏感株:▲5.3%

ディフェンシブ株:▲1.2%

少しずつ金利敏感株の比率が高くなってきましたね。このあたりから今のAB米国成長株投信のPFに近づいてきましたね。

ではこの期間の相場環境を振り返ってみましょう。

【株式市場】

期初の2016年6月下旬には市場の予想に反し英国の欧州連合(EU)離脱が決定したことを受けて、世界経済の先行き不透明感が強まり大幅に調整しました。その後は米国の利上げ観測、良好な経済指標や企業決算などから株価は回復しましたが、9月以降は、年内の米国利上げに対する警戒感、米大統領選挙でトランプ氏の勝利が確定すると、大規模なインフラ投資や大型減税など同氏が掲げる政策により米国の景気が拡大するとの見方が広がり、上昇に転じました。その後期末にかけても、良好な経済指標や原油価格の上昇などが後押しし、株価は続伸しました。

④2017年6月

銘柄業種
1アルファベットソフトウェア・サービス
2フェイスブックソフトウェア・サービス
3VISAソフトウェア・サービス
4ホームデポ小売
5ユナイテッドヘルスGヘルスケア機器
6アップルテクノロジー・ハードウェアおよび機器
7エドワーズライフサイエンスヘルスケア機器
8インテュイティブサージカルヘルスケア機器
9ナイキ耐久消費財
10ザイリンクス半導体・半導体製造装置
出所:アライアンスバーンのデータを元にかわ吉作成

2016年と比較すると、CVSヘルス、スターバックス、バイオジェンの3銘柄が外れて、エドワーズライフサイエンス、ナイキ、ザイリンクスの3銘柄が新たに仲間入りしました。

この期間のPF全体の投資別セクター比率は以下になります。

出所:アライアンスバーンのデータを元にかわ吉作成

セクター別投資比率を、金利敏感株(金利動向に敏感な株)・景気敏感株(景気動向に敏感な株)・ディフェンシブ株(金利や景気動向に左右されにくい株)の3つ分けた結果がこちらになります。

出所:アライアンスバーンのデータを元にかわ吉作成

かなり金利敏感株の比率が高まってきましたね。

2014年のPFと比較してもかなり異なっていることがよく分かりますね。

ではこの期間の相場環境を振り返ってみましょう。

【株式市場】

期初から2017年2月にかけては、好調な企業業績やトランプ政権が打ち出す経済政策への期待、堅調な景気指標などから、主要株価指数の最高値更新が続き、その後3月半ばにかけて高値圏で推移しました。しかし、3月半ば以降は、トランプ政権が最優先に掲げる医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の撤回が嫌気されたほか、中東および北朝鮮に関する地政学リスクへの懸念から、やや軟調な展開となりました。4月半ば以降は、地政学リスクやフランス大統領選挙への懸念後退などから上昇しました。5月中旬に、トランプ政権とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑を背景に急落する場面はあったものの、その後反発し、期末にかけて再び堅調に推移しました。

アライアンスバーンスタイン米国成長株投信のPFは確実に変化している

2018年以降は次回の後編として公開しますので、お楽しみに!!

とりあえず2014年から2017年までのPFを比較した結果をまとめてみます。

アライアンスバーンスタイン米国成長株投信は、金利敏感株ファンドではない。

出所:アライアンスバーンのデータを元にかわ吉作成

2022年のPFにおける金利敏感株の比率が高いだけで、他の景気敏感株やディフェンシブ株にも歴代、分散投資されている。直近のPFの金利敏感株の比率が高いだけ。

組入上位10銘柄については新陳代謝が行われている

投資セクターの比率がしっかり相場に合わせて機動的に変更しているのもあり、組入銘柄についてても1年毎に2~4銘柄程度の入れ替わっている。まだ全てを検証したわけではないが、マーケットの状況に合わせてPFを変化させられるファンドという認識になった。

私であればアライアンスバーンスタイン米国成長株投信は松井証券に移管する

『変化に対応できる=すぐに基準価格が上昇』とはなりません。

長期戦になることも視野に入れておくべきだと思います。

ただ、基準価格が11,000円あたりを前後するのであれば分配金をもらいながら、上昇相場を待つことができます。しかし、今の基準価格の水準であれば分配金を受け取れず、上昇相場を待つという最悪のシナリオも考えられます。

それだと面白くないですよね。

そのような方は、松井証券の『投信毎月現金還元サービス』を利用してください。

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以上、お役に立てれば嬉しいです。

また後編も見に来てください!!

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