経済の話

【メインにはなれない!?】新興国株式投資のデメリット

2021年4月23日

こんにちは。かわ吉です。

今日は、新興国株式がポートフォリオのメインになれない理由を解説します。

私も投資を始めたばかりのときは、中国やインドのテーマ型投信をよく買っていました。なぜなら、先進国よりも新興国の方が経済成長率があるから株価も上がりやすいだろうと考えたからです。

これらのファンドを保有してみて分かったことがあります。

それは、『これらはメインの投資資産にはならない』ということです。

なぜそう思ったのかを私の実体験も含めて解説します。

今回の記事は『これから投資を始めようと思うけど、とりあえず経済成長しそうな新興国株の投信を買ってみよう』と考えている人や、『新興国株中心のポートフォリオにしているけど思ったよりパフォーマンスが微妙だな』と考えている人のお役に立てれば嬉しいです。

リスク許容度が高くないと安心して保有できない

新興国株式ってリスク度合いが高いんです。下の表は新興国株式と先進国株式の積立を20年間続けた場合の比較です。

出所:大和アセットマネジメント

20年間積立投資をして、新興国株式が1,584万円で先進国株式が1,514万円です。リターンの差はそこまで大きくありませんが、途中経過はかなりの差があります。特に2007年から2008年にかけてのリーマンショックでの下落幅は大きな差があります。

新興国の多くは一次産品への依存度が高いため、経済基盤がコモディティ価格の変動の影響を受けやすいです。また、市場規模が小さいためボラティリティ(変動幅)も激しくなります。この点が先進国と新興国の差だと思います。

出所:マイインデックス

新興国株式と先進国株式を比較したときに、新興国株式はリターンも先進国と遜色なくリスク度合いが高いので、わざわざ新興国株式をメインに投資するメリットはないと思います。ここが新興国株式がポートフォリオのメインになれない理由です。

圧倒的な通貨安

新興国の大敵はインフレ率の高さです。以下の表をご覧ください。

インフレ率が高い国は、為替が下落基調にあります。なので株価が上昇しても為替の下落により相殺されてしまう可能性があります。そして、為替が下落すると中央銀行は通貨を安定させるためにドル売りを介入します。市場を安心させるためだけの外貨準備高が積み上がっていれば問題はないのですが、外貨準備高の減少傾向に歯止めがかからないような場合は、通貨安の傾向が続く可能性もあります。

出所:JPモルガン

上の表は、直近約20年の新興国の平均為替レート(対米ドル)です。2001年と比較すると40%以上新興国通貨安になっています。少なくとも株価が40%以上上昇しないと運用益はプラスにならないと考えると、為替はかなり大きな足かせになる可能性があります。

それに加えドル建て債務を抱えている国も多いため、アメリカの金利状況によって振り回されてしまうことも多いです。

まとめ

新興国株式のデメリットを2つご紹介しました。1つはリスク度合いが高い、もう1つは高いインフレ率による通貨安です。

短期的には大きなリターンを狙える可能性もありますが、長期的に見ればポートフォリオのメインにはしない方が良い資産だと思います。

新興国株式は、ポートフォリオのアクセントとして組み入れるくらいが今のところは良いと思います。

参考になれば嬉しいです。

新興国株式やポートフォリオについて学びたい方はこちらの書籍をご覧ください。投資の基本がしっかり詰まっています。


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