こんにちは。かわ吉です。
予想分配金提示型ファンドはインカム狙いの投資家には最適な仕組みの1つです。
AB米国成長株投信は、予想分配金提示型ファンドの中で優秀なファンドの1つですが、ネックは高い運用管理コストです。AB米国成長株投信の運用管理コストは年1.727%と高いですし、その他の予想分配金提示型ファンドの運用管理コストも年1.5%を上回るものしかありませんでした。
ただこのコストの壁を破壊した予想分配金提示型ファンドがあります。
そのファンドは、『グローバル5.5倍バランスファンド(予想分配金提示型)』です。そのコストは、年1.089%です。
これまで運用管理コストが一番低かった『インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド』の年1.573%でしたから約0.5%安くなりました。
そこで今回は、コスト最安を更新した『グローバル5.5倍バランスファンド(予想分配金提示型)』の魅力を解説しようと思います。
この記事を読めば、予想分配金提示型ファンドには興味があったけど、運用管理コストが高くて投資できなかった人がこのファンドを買うべきかどうかを判断できるようになります。
ではいきましょう。
ファンドの概要
ファンドの概要は以下になります。
設定日 | 2021.6.23 |
委託会社 | 日興アセットマネジメント |
純資産 | 4.57億円 |
運用管理コスト | 年1.089% |
設定日は、2021年6月23日で運用され始めてからまだ1か月程度しか経っていない若いファンドです。なので純資産も4.57億円と少な目です。
販売会社は以下になります。
販売会社はSBI証券や楽天証券などの大手ネット証券と地方銀行・証券であり、野村証券や大和証券などの大手の証券会社は入っていないため短期的には純資産は伸びにくい可能性はあります。
運用管理コストは、年1.089%と予想分配金提示型ファンドの中では最安です。
長期保有においてコストの安さは重要事項の1つですから、この点は安心できます。
ちなみに分配金の支払方針はAB米国成長株投信と同様です。
仕組みは流行りのレバレッジ投資法
運用手法は、日興アセットマネジメントの十八番のレバレッジ投法です。
投資対象は、世界の株式、REIT、債券および金の4資産への分散投により収益の獲得を目指します。そして、先物取引を積極的に活用し、信託財産の純資産総額の5.5倍相当額の投資を行います。
5.5倍などのレバレッジを掛けるメリットとしては、値動きの異なる複数の資産に分散投資を行うことで、運用効率が向上してリスクの低減とリターンの安定化ができます。
リスク度合いは意外と高いかも
このファンドの運用実績はまだ1か月しかありませんから、リスク度合いは分かりません。このファンドに近いファンドで『米国分散投資戦略ファンド(5倍コース)』があります。これらも株式や債券などに分散投資をしてレバレッジを効かせた商品です。
このファンドの動きを参考にしながらこのファンドのリスク度合いをイメージしていきましょう。
これが『USブレイン5』の設定来の基準価格の推移です。赤で囲ったコロナショックの下落率は約20%でした。この下落では、株式だけではなく債券や金地金なども売られましたから、これらの資産にレバレッジを掛けていた商品の下落幅はかなり大きくなりました。
もし同じような調整局面が来た時は、下落率は大きくなる可能性がありますから要注意です。
それに加え、コロナショックからの立ち上がりもあまりよくありません。
このチャートは、USブレインとAB米国成長株投信を比較しています。直近1年は株式市場が好調で、債券市場は長期金利の上昇で債券単価は下がっています。
債券単価の下落を株価の上昇でカバーできれば良かったですが、レバレッジを効かせて債券の比率が高くなっているため、カバーできていません。
『USブレイン5』と『グローバル5.5倍バランスファンド』も同じ5倍のレバレッジを効かせていますから、もしかしたら同じような動きをしてしまう可能性もあります。
去年のようなコロナショックや長期金利が上昇する局面では、基準価格の下落率が大きくなったり軟調な期間が長期化する可能性もあります。
とりあえず様子見
結論としてこのファンドはコストは安いですが、投資するメリットがあるかどうかは微妙です。運用歴が1か月では判断できることも少ないですし、過去に出た同じようなファンドの動きもよくないことを考えると、急いで投資する必要もないと思います。
どのような動きをするかを、もう少し時間を掛けて見極めて投資するのが良いと思います。