経済の話

【分散は万能ではない!?】分散投資のデメリット

2021年4月25日

こんにちは。かわ吉です。

分散投資はあらゆるところでオススメされています。分散投資は、確かに有効な投資方法ではありますが、デメリットもあります。

本日は、分散投資のメリットではなくデメリットを解説します。

『分散投資をしているけど、なんかパフォーマンスに満足できない人』や『分散投資は投資の基本だけど本当かな?』と疑問に思っている人のお役に立てればうれしいです。

思ったよりリターンが出ていない理由は??

分散投資は、リスクを低減させてくれます。そして、リスクだけではなくリターンも低減させます。

出所:JPモルガン

これは、『先進国株式100%』と『先進国株式50%&先進国債券50%』のチャートです。前者のポートフォリオであればリターンは年率6.1%であり後者のポートフォリオは4.5%です。リスク度合いが小さい債券を組み入れることで後者のリターンは前者のリターンより悪くなります。その分、2007年から2008年の下落局面では、下落幅を小さく抑えることができています。

リスク度合いをしっかりコントロールしたい人はしっかり分散投資をするべきですが、ある程度の長期間で運用できる人はあまり分散する必要はないかもしれません。

何度かの下落相場を経験してそれでもしっかり長期保有できていて今のパフォーマンスに満足していない人は、もしかしたら自分のリスク許容度を少し小さく見積もりすぎているかもしれません。債券などの資産をポートフォリオに組み込まれている人は、少しずつ株式のウエイトを高めても良いかもしれません。

いくら分散しても全てが下がる局面もある

基本的には、株式と債券は逆相関です。それぞれ逆の動きをする資産を組み合わせることで、リスクをコントロールすることができます。

ただどの局面でも、それぞれが逆の動きをしてリスクをコントロールしてくれるわけではありません。

出所:三井住友DSアセットマネジメント

これは、去年の3月のハイイールド債券・世界株式・世界リート・原油のチャートです。3月中旬から4月中旬にかけてどの資産も下落しています。このチャートにはありませんが、金や国債なども全て売られる局面もありました。

もちろん、それぞれの資産の動きは一緒でも下落幅が違うので、株式だけを保有している人と株式と株式よりもリスクが小さい資産を組み合わせていた人の下落幅は後者の人の方が小さく済みます。

ただ、『一般的にそれぞれ逆の動きをする資産を組み合わせれば、組み込まれているすべての資産が下がることはない』と思っている人は、すべての資産が下がる局面もあるということを頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。

分散し始めるとキリがない

分散投資ってやりすぎると『沼』に入ります。分散投資にゴールはありません。保険と一緒で、あらゆることを想定しすぎるとあらゆる保険に加入しないといけません。

個人的には、ファンドラップが分散投資の完全体だと考えていますが、相場環境が変わればファンドラップでも分散が不十分と思う日も来るかもしれません。

『アメリカ一強の時代は続かないだろうから、アメリカと並ぶ大国になるかもしれない中国も組み入れて、日経平均も調子が良いから日本株も入れて、それならせっかくだから欧州株も一緒にしよう。今後の経済成長が期待できる新興国もしっかり入れて、株式だけだと不安だから債券もそれぞれ入れよう。株式と債券もいつまで投資の王道でいられるかは分からないから金や原油、ビットコインも持っておこう』とこれが永遠に続きます。

考え始めるとキリがないのが分散投資です。だから、矛盾するようですが『分散するけどシンプルにまとめる』ことが重要かもしれませんね。

個人的には、投資期間が長い人は株式1本で十分だと考えています。年を重ねることに債券の比率を高めていくのが良いです。リートやコモディティは基本的にはいらないです。もちろん、短期的なトレードや配当狙いであれば保有しても良いと思います。

まとめ

分散投資のデメリットは、パフォーマンスを悪化させてしまうこと・分散投資した資産が全て下がる局面もあるということ・分散投資にはキリがないということです。

結局、投資対象も大切ですが、本質的には自分自身がどのくらいの利回りを狙いたいのかが全てです。そこが決まれば、それが達成できるポートフォリオを作るだけですからね。別に不測の事態だけに着目して投資をすると本末転倒です。投資対象はあくまでもあなたの目標を達成するためのツールですからそこは忘れないようにしましょう!!

それでもあえて完璧な分散投資を目指したい方はこちらの書籍をご覧ください。


ではまた

『向き合うのは自分自身であり、他人の運用パフォーマンスではありません』ということをまとめた記事も書いています。

『経済成長=株価上昇』では決してない新興国株投資の落とし穴についての記事も書いています。

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