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【新興国株インカム投資】ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の構成比率とは??

2023年5月22日

こんにちは。かわ吉です。

2023年4月に中国株や韓国株以外の新興国株で構成された予想分配金提示型ファンドとして、ピクテ・グローイング新興国株式ファンドが登場しました。

このファンドの投資対象であるブラジル・インドなどの新興国で構成されている予想分配金提示型ファンドはこれまでなかったので、個人的に今後の動向に注視していこうと考えています。

このファンドの概要については以下の記事で解説しました。

前回の記事は、ファンドのコンセプトなどの外側をまとめましたが、具体的なポートフォリオについては紹介していませんでした。

前回の記事を読まれていない方のためにこのファンドの特色のみまとめておきます。

2つ目のポイントが重要で、従来のよくある新興国株ファンドは中国や韓国などの今後人口が減少していく新興国株で構成されているものが多かったです。ただ、このファンドは今後人口が拡大していく国を中心に投資していきます。なおかつ予想分配金提示型なのでインカムも狙うことができます。

そのようなこともあり、個人的にこのファンドに非常に興味を持っています。

そこで今回は、このファンドの中身について月次レポートを参考にしながら整理していきます。

この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。

ではいきましょう。

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ポートフォリオの概要~バランス良し~

まずはこのファンドの特性です。

組入銘柄数は100を超えており、アライアンスバーンバーンスタイン米国成長株投信のような厳選集中投資ではなさそうです。新興国株は非常にリスクが高い投資アセットなので多くの銘柄への分散投資は理にかなっていると思います。

続いて国別構成比を見てみましょう。

ポートフォリオの10%以上占める国は、ブラジル・アラブ首長国連邦・南アフリカ・メキシコ・インドの5か国です。

特定の国に大きく偏ったポートフォリオにはなっていないようです。

最後に業種別構成比についてチェックしてみましょう。

業種としては、金融・資本財・素材・一般消費財などの景気敏感株で約70%占められているので、景気動向により基準価格が大きく変動するリスクが高いです。

具体的なポートフォリオ

では続いてポートフォリオの具体的な組入銘柄について整理します。

組入上位10銘柄は以下になります。

組入銘柄は国営などの比較的大きい企業が多いポートフォリオをなっております。

組入銘柄数は108銘柄で、組入銘柄の予想平均配当利回りは4.6%となっております。

基準価格11,000円で分配金が毎月50円支払われれば、分配金利回りは単純計算で5.45%となります。

分配金利回りは組入銘柄の予想平均配当利回りより少し高い点が気になりますが、この差は許容範囲だと思います。

実力以上の分配金は支払わない仕組みになっていると思います。そのように考えると、質の高いインカム収入が狙えると考えます。

市場概況と今後のポイント

以下は、ピクテジャパンの見解です。

★市場概況

4月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で下落となりました。

新興国株式市場は月半ばにかけて、3月に発生した欧米の金融不安を受けた急落からの回復の流れが続いたことに加えて、3月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが減速を示し、米金融当局による積極的な金融引き締めへの懸念が和らいだことなどが追い風となり、概ね上昇基調となりました。

その後は、米国をはじめ先進国の金融政策の方向性を巡る思惑や、米バイデン政権によるハイテク分野での新たな対中投資規制の検討が伝えられ、米中対立懸念が再燃したことなどが主にとなり下落基調に転じました。

さらに、月後半には、米地銀の健全性を巡る懸念が再び高まり、投資家のリスク回避の動きが強まったことも加わり、月では下落となりました。

国別(現地通貨ベース)では、インドは、予想を下回る決算を発表をしたITサービス関連企業などは下落したものの、好決算を発表した金融セクターの銘柄などを中心に上昇しました。

また、インド準備銀行(中央銀行)が予想外に政策金利を据え置いたことや、3月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し、インフレ目標上限を下回ったことなども、追い風となりました。

一方、ブラジルは、中国の鉄鋼需要低迷などの下落率が大きくなったことや、米中対立を巡る見方も重荷となり、下落となりました。

アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタールは、主要産油国の減産や米国の在庫減少による原油価格の上昇を背景に上昇しました。

当ファンドでは、中国は投資対象国から除外されているため、中国株式の組入はありません。

セクター別(現地通貨ベース)では、エネルギー、金融、ヘルスケアなどが上昇した一方、コミュニケーションサービス、一般消費財・サービス、情報技術などが下落しました。

★今後のポイント

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方に変更ありません。

米国のインフレ率の伸びはピークを迎えつつあるとみられます。米国の利上げサイクルの終了も視野に入りつつあり、米ドルの一段高の可能性も後退すると考えられます。こうした流れは新興国株式市場の追い風になると考えられます。

新興国株式のバリュエーション(株式価値評価)は。先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にあります。ゼロコロナ政策の終了による中国の経済再開により、企業業績の回復や周辺国・地域経済へのプラスの恩恵などが期待されますが、これらのプラス材料は依然として株価に十分には織り込まれていないと見ています。

アジアを中心に新興国は「デジタル化」や「テクノロジー」の分野をけん引する存在であるとともに、脱炭素など世界的な環境課題においても、CO2(二酸化炭素)排出削減などで重要な役割を担いつつあると見ており、これまで見過ごされてきた、あるいは新たな価値の発掘に繋がる可能性があると期待しています。

新興国の影響力は増す

ピクテジャパンの見解でもあったように、新興国は先進国を凌ぐ成長力を有していることには同意です。

さらに、米国の利上げサイクルの終了も視野に入りつつあることも考慮すれば、新興国株式市場に追い風になることにも同意です。

米国株ブームによって、米国株ばかりに意識が行きがちですが、今後は新興国株式市場もチェックして勉強しましょう!!

当面の間、このファンドの分配金報告も継続してみようと思います。

以上、お役に立てれば嬉しいです。



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