投資信託

【本当に危険??】テーマ型投信のデメリットTOP3

2021年9月22日

こんにちは。かわ吉です。

突然ですが、読者のみなさまはテーマ型投信についてどう思いますか??

巷では以下のように言われることがあります。

銀行や証券会社に行くとテーマ型投信を案内してくるぞ!!テーマ型投信は悪いものだから買わない方が良い!!

一概に悪いものとは言えません。ただテーマ型投信特有のデメリットはあります!!

物事には一長一短あります。メリットしかない商品はないし、デメリットしかにない商品もない(詐欺などは除く)はずです。大切なのは、メリットとデメリットをしっかり把握したうえで自分にとって役立つかどうかを判断することです。

テーマ型投信については根拠はないけど、なんとなく買わない方が良いと考えている人が多いと普段の業務を通じて感じています。つまりはテーマ型投信のデメリットについて詳しく知らない人は多いということです。

そこで今回は、テーマ型投信のデメリットTOP3を解説します。

この記事を読んでいただくと以下のメリットがあります。

テーマ型投信のデメリットが分かる

どのような人がテーマ型投信を買うべきか分かる

テーマ型投信を選定するときの判断基準が分かる

この記事が読者の方の資産運用に役立てば幸いです。

ではいきましょう。

①運用管理コストが高い

テーマ型ファンドは運用管理コストが高い傾向があります。

最近の流行テーマであるサイバーセキュリティ・SDGs・5G・AI関連のテーマ型ファンドの運用管理コストを見てみましょう。

以下のグラフがその比較になります。

出所:楽天証券のデータを元にかわ吉作成

アクティブファンドの運用管理コストの平均が約1.45%ですから、それと比較すると全て上回っていますね。

コストだけで投信に優劣を付けるのは危険ですが、テーマ型ファンドの運用管理コストは高いことには間違いないですね。

投資期間が長期であればこの高い運用管理コストはパフォーマンスに与えるインパクトは大きくなると思います。逆に言えば、短期でまとまったリターンを狙いに行く投資戦略であればこのコストは払う価値があると言えるかもしれませんね。しっかりとしたパフォーマンスが発揮されるのが大前提ですが。

テーマ型投信の運用管理コストは平均より高い!!『コスト高・パフォーマンス低』ようなゴミファンドを避ける目利きは必要!!

②出口戦略が重要

テーマ型投信の『テーマ』は永遠に続くことはもちろんありません。ようは『旬』というものがあります。その美味しいところを味わうためにテーマ型投信は大いに役立ちます。

言い換えれば、その『旬』がいつまで続くのかを判断して出口戦略をしっかり考える必要があります。

出口戦略を間違えると長期間の低迷に巻き込まれてしまう可能性があります。

その例として、『グローバル・ヘルスケア&バイオファンド 愛称:健次』が挙げられます。このファンドは、その名の通りヘルスケアやバイオ関連の企業にまとめて投資するテーマ型投信です。詳しくは以下のリンクをご覧ください。

このファンドの基準価格の推移は以下になります。

出所:楽天証券

2012年から2015年にかけてヘルスケア・バイオ関連の株式には投資資金がかなり集まっていました。3年で基準価格が3倍になる勢いでした。ただ2015年にピークをつけてからは約5年間も基準価格が横ばいです。この5年間はVTIなどのインデックス投信のパフォーマンス良好でしたからこの業界だけ株価が低迷していたことになります。これは大きな機会損失になると思います。

ただこれは5年後からコロナウイルスの影響でもう一度ヘルスケア・バイオ関連のブームが到来したため我慢した投資家は報われたケースです。

『デジタル情報通信革命』というITバブルの絶頂期に設定されたファンドの末路は酷すぎます。

設定日から20年も経過していますが、まだ設定日の水準まで基準価格が戻っていません。このようなケースもありますので注意が必要です。ITバブルのピーク時にしっかり利益確定しないといけなかったんです。

出所:楽天証券

だからテーマ型投信は『旬』が過ぎればしっかり利益確定することが重要なんです。

テーマ型投信は出口戦略を間違えると大きな機会損失になる可能性あり!!ただ『旬』の見極めは非常に難しい!!

③投信設定時がそのテーマの天井である可能性がある

テーマ型投信で採用される『テーマ』は、みんながすでに知っているテーマでないと興味を持ってくれません。

これからは宇宙分野が熱いですよ!!だから宇宙関連のテーマ型投信をオススメします!!

そうなんだ。でも宇宙って良く分からないしなんか怖いな。テレビやネットでもあまり見る機会ないしね。

おそらくピンと来ていないテーマに関しては投資するのは少し不安になってしまうかもしれません。ただ興味を持っている人が少ないときというのは投資するタイミングとしては良いことが多いんですが。。。

一方、すでにメディアなどで取り上げられている分野はイメージしやすいので興味を持ちやすいんですよね。

コロナウイルスはまだまだ長引く可能性があります。だからワクチン関連に投資しましょう!!

そうだね!ワクチンはこれからも必要だから今から買っても良さそう!最近はワクチンの話はテレビでも見ること多しね!

ただワクチン関連の一番おいしかった時期は、コロナウイルスが蔓延してからワクチンができるまでの期間でした。正直言うとワクチン関連の『旬』はすでに過ぎていると言っても過言ではないかもしれません。

だからテーマ型投信も『旬』を早取りしすぎると投資家から信用してもらえず投資資金も集まりにくいんです。ある程度知名度の高いテーマであれば安心して投資家も資金を預けてくれます。ただそのタイミングでは投資妙味がすでにない可能性もあります。ジレンマですね。

だから運が悪い場合は、買ったところがピークだったということもあり得るわけです。

テーマ型投信の設定日はそのテーマの『ピーク』である可能性がある。そこの見極めは重要!!

まとめ

今回は、テーマ型投信のデメリットTOP3を解説しました。その3つとは以下になります。

①運用管理コストが高い:長期保有した場合はこのコストがパフォーマンスに与えるインパクトは大きくなる

②出口戦略が重要:出口を間違えると大きな機会損失になる可能性がある

③投信設定時がそのテーマの天井である可能性がある :高値掴みのリスクがある

この3つのデメリットをふまえてテーマ型投信が適している投資家は、、、

投資期間は短期でリスク許容度が高く、相場について勉強して自分で売買のタイミングを判断できる投資家

といったところでしょうか。いずれにせよテーマ型投信は玄人向けです。無理して投資する必要はないと思います。

以上。お役に立てれば嬉しいです。

テーマ型投信の魅力は圧倒的なパフォーマンスです。インデックス投信と比較するとそのパワーは目を見張るものがあります。グローバルAIファンドは最近のテーマ型投信の花形です。

-投資信託