こんにちは。かわ吉です。
2021年11月中旬をピークに、多くの金利敏感株の株価は大きく下落しています。
予想分配金提示型ファンドでいうと『サイバーセキュリティ株式オープン(予配)』の基準価格が大きく下落しています。
基準価格は2021年11月のピーク12,918円から2021年5月に7,931円まで下落しています。下落率は、なんと▲38%です。個別銘柄であれば納得できる下落率ですが、投資信託としてはかなり大きな下落率になって驚いているホルダーも多いと思います。
さらにこのファンドのホルダーが辛いのは、ここまで基準価格が下落すると、分配方針により毎月の分配金はほぼ狙えないことですね。
このファンドの分配方針を見ると、基準価格が11,000円以上あれば分配金が安定的に狙えると思います。過去の傾向から判断すると、基準価格が10,000円を切ると分配金が出る確率はほぼ0になります。2021年5月は基準価格9,763円で100円の分配金実績がありましたが、2022年2月は基準価格9,828円で配金実績は0でした。基準価格が10,000円を切ると分配金は出ないものと考えた方がよさそうです。この傾向は、予想分配金提示型ファンドの王道であるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースにも言えます。
このように投資元本も割り、分配金も狙えないサイバーセキュリティ株式オープン(予配)のホルダーは、かなり今後の見通しに不安を感じ、このファンドを継続して保有すべきか悩まれていると思います。
そこで今回は、このファンドの委託会社である三菱UFJ国際投信よりファンドレポートが発行されましたので、この内容をベースにして今後の見通しとこのファンドを継続保有すべきかどうか解説します。
この記事を読んでいただくと以下のメリットがあります。
サイバーセキュリティ株式オープンの今後の見通しが分かる
このファンドの組入銘柄の決算状況が分かる
このファンドを継続保有すべきかどうか分かる
この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。
かわ吉はツイッターもやっておりますので是非フォローをよろしくお願いします。ツイッターでは、気になる予配ファンドの毎日の基準価格の推移などをツイートしています。
ちなみにサイバーセキュリティ株式オープン(予配)などの予想分配金提示型ファンドを運用するなら松井証券が圧倒的にお得です。詳しくは以下の記事をご覧ください。知らなきゃ損です。
2022年初来の市場動向と運用状況
✅成長株を中心に世界株式は軟調
2021年末からの世界的なインフレ懸念の高まりや米国金融当局の金融政策動向に対する先行き不透明感に加え、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻やそれに伴う原材料やエネルギ等の供給不安、中国のロックダウンによる景気悪化等も重しとなった。
✅ハイテク株はボコボコ
なかでも202年以降の上昇相場を牽引してきたハイテク株は、割高感が意識されたことや金利上昇による将来の収益悪化懸念等から売られ、テクノロジー関連企業に投資するこのファンドの基準価格も下落した。
今の局面で弱いのは、ハイテク株などのグロース株です。つまりは、金利敏感株のことですね。
サイバーセキュリティ株式オープン(予配)のPFの大半は、金利敏感株で占められています。
特にこのファンドは、高PERであるサイバーセキュリティ関連株の詰め合わせパックなので金利上昇にはめっぽう弱いと考えるべきです。世界株式や世界情報株式と比較した場合にこのファンドの下落率が大きいことはそれを表しています。
今後の市場見通し
✅市場金利の水準は落ち着く
米国の金融当局による金融引締めは、経済成長見通しに影響を与える可能性はあるものの、政策金利を中立金利水準まで迅速に引き上げることは、一定程度株価に織り込まれていると考えられる
✅今後の決算発表が予定されている銘柄の内容は注視
市場環境に関わらず、ゼロトラスト(守るべき情報資産にアクセスするものは全て信用せずにその安全性を検証すること )やDX(デジタルトランスフォーメーション)の大きな流れと増加するサイバー脅威を背景に、サイバーセキュリティ関連企業の業績成長が期待されるという見方に変わりはなし。組入上位銘柄の直近決算は、多くが市場予想を上回る売上高成長率を維持している。
✅サイバーセキュリティ関連企業への投資妙味は引き続き大きい
今後、短期的な株価の調整はありつつも、中長期的には個人・企業・国のサイバーセキュリティへの関心やテクノロジーの進展に伴う長期的な需要が見込まれ、組入銘柄における堅調な業績や足元のバリュエーション調整などから、サイバーセキュリティ関連企業への投資妙味は引き続き大きい。
株価に与える影響は、金利:業績=7:3だと考えています。今のインフレで金利が上昇している局面というだけでこのファンドには向かい風です。これで業績も悪化し始めたときは、今以上の下落に覚悟する必要があるかもしれません。
このレポートの発行時点で組入上位銘柄の内、5社の決算発表はまだされていませんでした。
このあたりの銘柄の決算がしっかり市場の期待に応えていれば、まだ基準価格は持ちこたえると思います。
好業績の維持がこのファンドの最後の砦
さて、インフレにより金利が上昇している局面で、基準価格が持ちこたえるためには、組入銘柄の業績が堅調であることが不可欠です。
そこで、レポート発行時点で決算発表されていなかった5銘柄の決算について振り返ってみましょう。
基本的に決算でチェック項目は、EPSと売上高です。これらが市場予想を上回っていれば好決算ということにします。
①パロアルトネットワークス
2022/4
予想 | 結果 | |
EPS | 1.68 | 1.79 |
売上高 | 1,360 | 1,390 |
EPSと売上高ともにOKです。
②ゼットスケーラー
2022/4
予想 | 結果 | |
EPS | 0.11 | 0.17 |
売上高 | 271 | 287 |
こちらもEPSと売上高ともにOKです。
③クラウドストライクホールディングス
2022/4
予想 | 結果 | |
EPS | 0.23 | 0.31 |
売上高 | 463 | 488 |
こちらもEPSと売上高ともにOKです。
④オクタ
2022/4
予想 | 結果 | |
EPS | -0.55 | ー0.53 |
売上高 | 389 | 415 |
こちらもEPSと売上高ともにOKです。
⑤ブロードコム
予想 | 結果 | |
EPS | 8.70 | 9.07 |
売上高 | 7,910 | 8,100 |
こちらもEPSと売上高ともにOKです。
現時点では、このファンドの組入上位10銘柄の決算は問題ないと思います。金利上昇局面では、業績が維持できるかがかなり重要なポイントとなります。
しっかりチェックしたいところですね。
良い決算を見分ける主なポイントは、EPSと売上高ですが、これ以外にもガイダンスやキャッシュフローなどもチェックしてみると面白いと思います。
良い決算の判断基準はこちらの書籍から学びました。
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少し古い書籍ですが、投資の普遍的なノウハウを知るには非常に面白い書籍です。米国株式に投資をしている投資家は必見です。
このファンドを継続保有すべきか否か
このファンドを継続保有すべきかどうか否か。
これについては現時点では、含み損を抱えていて損切できない投資家の方は、継続保有でOKだと思います。
理由としては、組入上位10銘柄の決算は堅調だからです。金利敏感株が大半を占めるこのファンドは、今の金利上昇局面との相性は最悪です。
ただ、組入銘柄の業績が堅調であれば、まだ基準価格の下落を軽減することはできると思います。
基本的に株価に与える影響は『金利:業績=7:3』です。インフレが収まらない限り、金利上昇は止まらないでしょうからこの点は耐えるしかありません。これで業績もボコボコであれば損切することをオススメします。ただ、業績が堅調に推移していれば、インフレが収まり金利が低下し始めたとき、このファンドの基準価格は復活してくる可能性は十分ありと思います。
サイバーセキュリティ関連は、これから伸びしろが期待できるセクターの1つだと思いますしね。
ただ、インフレが収まる前に、組入銘柄の業績が大きく悪化し始めたときは、損切も検討すべきだと思います。
ホルダーの方は、目先については長期金利の動向も見ながら、組入銘柄の業績をチェックしてみるといいかもしれません。
継続保有するならファンドを松井証券へ移管しよう
現時点の基準価格では、分配金は狙えません。基準価格が大きく下落すると元本割れするだけではなく分配金が0になってしまうのが、予想分配金提示型ファンドの弱点の1つですね。
分配金も受け取れず、ただただ基準価格の上昇を待つのはかなり辛いと思います。しかも、予想分配金提示型ファンドは信託報酬などの運用管理コストが高い傾向がありますから、低迷する期間が長引けばかかるコストもかなりもったないと思います。
そのように感じるホルダーの方は、サイバーセキュリティ株式オープン(予配)を松井証券に移管しませんか??
松井証券にサイバーセキュリティ株式オープン(予配)を移管すると、分配金とは別に年間0.4%の現金還元を受けることができます。
その理由は、松井証券には他社とは比べ物にならない還元率の『投信毎月ポイント・現金還元サービス』があるからです。
このサービスは、証券会社が受け取る信託報酬の内、0.3%を超える部分を投資家に還元するものです。信託報酬が高いファンドほど還元率が高くなります。信託報酬が全体的に高い予想分配金提示型ファンドを保有するなら松井証券一択です。
サービスの内容は以下の記事で詳しく解説しておりますので是非ご覧ください。
まとめ
今回は、基準価格が低迷しているサイバーセキュリティ株式オープン(予配)を継続保有すべきかを、運用会社が発行した特別レポートをベースに解説しました。
内容をまとめると以下になります。
インフレ率の高止まりにより、金利上昇が止まらない。グロース株にとってはかなりの痛手。
運用会社の見通しとしては、市場金利の水準は落ち着く見込みだが、組入銘柄の業績は要チェック。
組入銘柄の業績については現時点では堅調に推移。
目先は金利動向に大きく左右される可能性はあるが、長期保有できるホルダーであれば継続保有でOK。しかし決算には要注意。
継続保有するのであれば、松井証券の『毎月ポイント・現金還元サービス』を利用してお得に運用しよう。
以上、お役に立てれば嬉しいです。
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