投資信託

【買うな!!】ブラジル株式ツインα(毎月分配型)ツインαコースが危険な理由TOP3

2021年8月11日

こんにちは。かわ吉です。

日本の投資信託の中で基準価格が一番小さいファンドはご存じでしょうか??

そうです『ブラジル株式ツインα(毎月分配型)ツインαコース』ですね。

このファンドについて過去に記事を書いています。

このファンドの基準価格は、469円です。。。

このファンドが良いか悪いかは、もはや言わずもがなです。

出所:楽天証券

でも楽天証券での買付ランキングはなぜか163位なんです。根強い人気があります。

その理由は、おそらく高い分配金利回りです。

出所:楽天証券

直近の分配金は1万口あたり10円です。この分配金を1年受け取れば120円です。

この場合の分配金利回りは、『120円÷480円=25%』です。投資した金額の25%の分配金がもらえます。

これを聞いて『100万円投資して25万円の分配金がもらえるなんて最&高!!』と喜んだ人は要注意です。

このファンドには、かなり危険な特徴があります。そこで今回は、このファンドが危険である理由を3つご紹介します。

この記事がこれからこのファンドを検討しているが、このファンドを買うべきかどうかの判断材料になれば嬉しいです。ただ結論としては、このファンドに投資する必要はありません。

①たこ足分配の日本代表

このファンドの概要です。

設定日2014.12.19
委託会社T&Dアセットマネジメント
純資産124.66億円
信託報酬1.813%
償還日2025.4.25
出所:楽天証券のデータを元にかわ吉作成

設定日から約7年経過しています。設定日以降の基準価格の動きは以下になります。

出所:楽天証券

なぜここまで基準価格が下がっているのでしょうか??普通に考えれば、投資信託の基準価格は10,000円から始まりますから、それが469円になっているのであれば▲95%になります。

このチャートは、ブラジル株のETFの2014年12月以降の動きです。動きは芳しくありませんが、▲95%のようなパフォーマンスにはなっていません。むしろ2014年より少し高いところにある感じです。

ではなぜこのファンドの基準価格は▲95%になっているのでしょうか??

それは『たこ足分配金』が理由です。

冒頭でもお伝えしましたが、このファンドの分配金利回りは約25%です。毎年のパフォーマンスにかかわらず投資元本の25%を分配金として受け取れます。

『え??ということはファンドが25%儲かっていないときの分配金の原資は何なの??』と思われた投資家の方も多いと思います。

まさにそこがポイントで、『投資のパフォーマンス<支払われる分配金』の場合の、分配金の原資は『あなたの投資元本』です。

たこは自分の足を食べる習性があり、これも自分の投資元本を崩して受け取っているのでたこ足分配ファンドと呼ばれています。

もちろん、投資のパフォーマンスが年20%を超えるような状況であれば自分の足を食べる比率はかなり小さくなると思います。

下の図は設定来のこのファンドの年間収益率の推移です。

出所:T&Dアセットマネジメント

残念ながら運用収益率が20%を上回った年は1年しかありません。このようなパフォーマンスだと年間20%~25%の分配金利回りをカバーすることはできません。

それなのに無理して分配金を出し続けた結果が、今の超絶低い基準価格になっています。

②運用管理コストの高さ

このファンドの運用管理コストは、年率1.813%です。

毎月分配であるそのほかのファンドと比較すると以下のようになります。

予想分配金提示型のエースファンドである『アライアンスバーンスタイン米国成長株投信』と比較しても少し高いですね。

百歩譲って、パフォーマンスが良ければ多少の運用管理コストの高さは目を瞑れるのですが、パフォーマンスもぶっちゃけ微妙です。

出所:T&Dアセットマネジメント

直近5年の平均的なリターンは3.8%です。一方、最大値は47.8%で最小値が▲39%と高低差は激し目です。

長く保有しても、リターンは小さくジェットコースターのような価格変動があるファンドです。

長期保有するというよりは、相場を見ながら下がったところで買付し、しっかり上がりきったところで売却して利益確定する投資手法がリターンを高めやすいファンドです。

そもそもそんなベストなタイミングで取引できるなら誰も苦労しません。

投資初心者向けというよりは玄人向けのファンドです。

『コストが高いのに短期売買が適しているファンド&長期保有』の相性は最悪です。

③仕組みが複雑でリスク度合いが高い

このファンドの仕組みは、複雑です。

出所:T&Dアセットマネジメント

端的に言うと、『ブラジル株式の上昇だけではなく、オプション取引などを用いリターンの向上を狙います』ということです。

今回は、このファンドの仕組みを詳しく解説はしませんが投資信託で投資をする個人投資家に複雑な仕組みは不要だと思います。ましてやその仕組みを導入したことで運用管理コストが高くなるならなおさらです。

この仕組みを導入することでパフォーマンスが向上すればよいですが、今のところはその結果は出ていないようように思います。

まとめ

今回は、なぜか根強い人気がある『ブラジル株式ツインα(毎月分配型)ツインαコース』を解説しました。

結論としては『買わない』方が良いです。

理由は主に3つあって、たこ足分配であること・運用管理コストが高いこと・仕組みが複雑であることでした。

ブラジルに投資したいのであれば、ブラジル株式のETFに投資すれば良いですし、分配金などのインカム収入が欲しければ予想分配金提示型のアライアンスバーンスタイン米国成長株投信を買えばいいんじゃないかと思います。

以上、お役に立てれば嬉しいです。

ではまた

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