こんばんは。かわ吉です。
コロナの影響で、株価の動きが2極化しています。
たとえば、ハイテク関連の銘柄は大きく上昇している一方、ホテルや飲食、航空業界の株価は大きく下落しています。
下がった銘柄を見ると、今後の反発を狙いそこに大きな資金を投入することを検討している方も多いと思います。
ただ、そのような投資家の方に私から伝えたいことがあります。今回は、その中でも航空業界に投資を検討されている方へお伝えします。
最終的に航空業界に投資するかどうかは、私のブログを読んでから最終決定をしていただきたいです。
結論から言うと、今から航空株へ投資することは、おすすめできません。
その理由をお伝えします。
航空業界の固定費は高い
そもそも、航空業界は、損益分岐点の高いことで有名です。
損益分岐点とは、売上高とその売上高を作るために必要な費用の額が、ちょうど等しくなる分岐点のことであり、損益分岐点が高いということは、固定費が高いことを意味します。
航空業界における固定費とは、航空機の減価償却やリース料、航空保険、借入金利息、人件費がそれにあたります。
このあたりの費用は、売上高がゼロだったとしても、必ず発生する費用であるから、毎月会社からお金がどんどん流出します。
たとえば、ANAの国際線の旅客数は、前年同月比で96%減少しています。国内線は、84%の減少です。売上高がほぼ消滅したことで、固定費が重くのしかかっています。
ちなみに、2020年3月期決算をもとに計算すると固定費だけで、およそ800億円の現金が流出する資産になっているようです。
その固定費を削減するために、ANAは、希望退職を募集したり、航空機の売却を行っているわけです。
人員削減を検討しているANAに対して、JALは人員削減の予定はないようです。
その理由は、財務格差です。
JALは、2010年に経営破綻しており、その際に5215億円の債務が免除され、財務の健全化が進みました。
この債務免除のおかげで、JALの有利子負債は、5046億円、自己資本比率は45.9%と、ANAの有利子負債1兆3589億円、自己資本比率33.9%より断然、財務体質が健全であります。
自己資本比率は、40%を超えると、倒産の確率が低くなると言われています。
そう考えると、ANAの財務状態は良くないですし、コロナ禍が続けばJALの財務状況も安心できないかもしれません。
固定費が高いことは、かなりのリスクになります。
大幅な固定費の削減は将来高い代償を払うことになる
目先、生き残るために、ANAは人員削減や、航空機の売却する方針を決めています。
このような行動は、短期的には良いですが、人と航空機を減らすということは、これまで想定していたような成長力は期待できなくなります。
もし仮に、今後コロナが収束して航空需要が戻ったとしても、それに応えるだけの人員がいなければ、機会損失のリスクもあります。
そのため、ANAの業績は、コロナ後もしばらく低迷することが予想されます。JALは、コードシェア便をANAよりも活用したことで、人員削減などの対策は、いまのところは不要なので、航空需要が、戻った時の機会損失は、防げるかもしれません。
ただ、もし長引けば、JALもANAのように固定費の削減が必要になってくるかもしれません。
もっと買うべき銘柄は他にある
コロナの収束が見えないこと、ワクチンが、未だ完成していないことを考えると、今、焦って航空株に投資する必要はないと思います。
航空株のような先行き見通しの悪い銘柄は、たとえ株価が反発した後でも、ワクチンが完成して航空需要が戻ることを確認してから、投資することをおすすめします。
ワクチン開発が、失敗に終わって、コロナが収束しないならば、航空需要は戻らないから航空株のリスクは、さらに高まって株価は大暴落してしまう可能性もありますから慎重に判断しましょう。
未来を読むことは、誰にもできないから、事実、現実を確認した上で、投資をしても決して遅くはないはずです。