経済の話

間違った資産運用の始め方とは?

2020年6月1日

どうもかわ吉です。

私の本業は、金融機関の資産運用のアドバイザーです。毎日平均4件の運用相談を受けています。運用がうまくいっている人や、多くの含み損を抱えており塩漬けにして何年も我慢されている方などなどたくさんの人と会ってきました。そして毎日、相談を受ける中で、困っているお客さまの資産運用の方法に共通点があることに気づきました。

本日は、その共通点について書いていきます。この内容は、これから資産運用を始められる方や、もう既に始めているが、運用成績がいまいちの方にとってお役に立てると思いますので是非最後まで読んでください。

判断基準は金利のみ

ぶっちぎりの共通点はこれです。判断基準が金利しかありません。

理由は、いくつか考えられます。しかし主な理由は、長年に渡る日本の長期金利の低迷だと考えます。私が生まれる以前は、ゆうちょ銀行さんの定額貯金は7、8%あったようです。10年預ければ、だれでも元金を2倍にできる時代です。日本人の大半の方が大好きな定期預金の金利は、日本の長期金利で決まります。

以前は、8%の定期預金がありましたが、今ではそのような金利の円の定期預金は存在しません。もしあればこっそり私に教えてください(笑)

お客さまと会話をする中で、昔の金利の話をよくされるのは50歳代以上のお客さまが圧倒的に多いです。当たり前ですよね。私の世代は、物心ついたときから、すでに頭に0が付いていましたから(笑)

日本人は、金利が下がり続ける中、その代わりになるものを探し続けました。それは、株式や債券などの別の資産ではなく、より金利の高い定期預金でした。

つまり、株式などのリターンではなく、元本保証であり利回りが完全に決まっている定期預金に拘り続けたということだと思います。だから良い商品かどうかの判断基準は、金利の高低しかないのです。もちろん、お金は、水の流れと違い、金利が低いところから高いところに流れます。

この考え方を、同じ通貨の商品で考えるならば良いかもしれません。しかし、為替を一切考えず金利で飛びつくのは、大変危険です。

ようこそ!!高金利通貨の債券へ

金利だけを追い求めると、知らず知らずのうちに、ある商品に必ずたどり着きます。

それは、高金利通貨の債券です。みなさまもよく街にある金融機関の外のチラシに、5%や8%の金利と書かれたチラシを見たことはないでしょうか?「え?8%??すごいじゃん!!」となる方も多いのではないでしょうか?

高金利通貨の代表は、ブラジルレアル、インドルピー、トルコリラといったところでしょうか?高金利の通貨の国は、成長が著しい新興国であることが多いです。

成長が著しい国の通貨であれば、安心できそうな気がしますね。しかし、実際はそうではありません。

なぜなら、新興国はインフレになりやすい傾向があります。つまり、毎年物価が上昇し、通貨の価値が下落しやすくなっています。例えば、今年100万円の車があるとします。来年、物価が2%上昇すると今年100万円の車は、102万円になります。つまり、100万円ではその車は買えません。物の値段が上昇したことで、通貨の価値が下がったのです。新興国では、このよなインフレが頻繁に起こっています。金利が5%ついても、物価上昇が8%であれば、実質-3%です。このようなことを理解せずに、高金利債券に飛びつくは、大変危険です。さらに金融機関も高金利を掲げて本気で売りにきます。実は、結構手数料がもらえるのです。売る側からすればですね。

だからみなさまは、騙されないようにしっかり理解してポートフォリオに組み入れましょうね!!

ただ高金利債券も悪いものではないとは、思っています。長期保有は、死んでもしたくないですが、3年くらいの期間であれば、為替が円高のタイミングで買ってみるのも作戦として無きにしも非ずかなと。ただ、アメリカ株などと比較すると勝ちにくい仕組みにはなっているのは間違いないです。

まとめ

金利だけで商品を選んでいくと、必ず高金利債券にたどり着きます。そしてのような債券で使われる通貨は、インドやブラジルなどの成長が著しい国かつ、インフレで通貨の価値が下がりやすい国のものであることが多いです。このことを理解して買うのは自由ですが、理解せずに、金利だけで選んでいるのであれば、一回立ち止まって考えなおしていただいきたいです。

資産運用は、金利だけではありません。いろいろな側面を見て、自分の目的に合った商品選びをしましょう!!

Successfully pull off the heist!

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