こんにちは。かわ吉です。
過去の記事で予想分配金提示型ファンドを2つご紹介しました。
これらのファンドで共通しているデメリットとしてコストの高さが挙げられます。どうしても予想分配金提示型ファンドは運用管理コストが高くなる傾向があります。でも投資家としてはなるべく、運用管理コストは抑えたいところですよね。
そこで今回は運用管理コストが気になるインカム投資家の方に、予想分配金提示型ファンドの中で運用管理コストが安い『インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド』をご紹介します。
この記事を読んでいただくことでこのファンドの特徴を知ることができて検討の余地があるかどうかが分かります。
運用管理コストは長期投資をする上で重要なファクターですが、『コスト安=優良ファンド』とは限りませんのでその点もしっかり見極めていきましょう!!
ファンドの概要
当ファンドの概要は以下になります。
委託会社 | インベスコ・アセット・マネジメント |
設定日 | 2021.3.11 |
純資産 | 83.31億円 |
運用管理コスト | 年1.573% |
信託財産留保額 | 0 |
このファンドは、日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式を主な投資対象にする投資信託です。

設定日は今年の3月でまだ3か月ほどしか経過していない若いファンドです。純資産は83.31億円とまだそこまで多くないです。
運用管理コストは年1.573%とAB米国成長株投信と比較しても安いですね。その他のファンドとの具体的な比較はのちほど。
販売会社は、ネット証券や中堅の証券会社中心の9社です。大手の証券会社は現状では販売会社ではありません。大きな資産流入は期待しにくいかもしれません。

運用管理コストは最安
このファンドの特徴として、運用管理コストが安い点が強みの1つです。
運用管理コストは毎年絶対にかかる費用ですから少しの差でも長期的に見れば運用パフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
その他の予想分配金提示型ファンドと比較してみましょう。

前回にご紹介したベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンドといい勝負ですが当ファンドの方が0.0165%安いです。この差についてはそこまで大きな差はないですね。
人気ファンドのAB米国成長株投信やグローバルAIファンドと比較すると約0.15%~0.35%の差がありこれはかなり大きい差だと思います。
たとえば500万円投資をして運用管理コストの差が0.35%の場合、年間にかかる運用管理コストの差は17,500円です。たかが2万円弱の差と思われるかもしれんが、運用期間が10年、20年と長くなるとこの差は大きな損失になる可能性があります。
予想分配金提示型ファンドの運用管理コストの点については、このファンドは良心的だと言えます。
地域・通貨はしっかり分散
次に、投資地域と通貨について分析していきます。

投資対象についてはアメリカ・日本を中心としたポートフォリオです。具体的な組入銘柄は後程分析しますが、投資銘柄は50であり上位10銘柄でポートフォリオの約40%弱を占めているので国別の投資比率は特段意識しても仕方ないかもしれません。
続いて通貨別の純資産比です。

通貨に関しては、しっかり分散されています。ただカナダドルや韓国ウォン、台湾ドルといったマイナー通貨への分散ですからぶっちゃけこの点はぶっちゃけどっちでもええです。
組入銘柄は情報技術・金融に偏っている
組入業種の比率は以下になります。

『ブロックチェーン=ビットコイン』という認識が強いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
下記のサイトが非常に分かりやすくまとめられていますのでブロックチェーンについてもっと詳しく知りたい方はご覧ください。
【保存版】超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識 - ビジネスWebマガジン「Future Stride」|ソフトバンク (softbank.jp)
医療などでも活用されるブロックチェーンですが、現状としては仮想通貨などの金融や情報技術で活用されているようです。
このファンドのポートフォリオも情報技術と金融で約75%で占めています。テーマ型の要素が比較的強いですね。
ちなみに上位10銘柄は以下になります。

時価総額を比較してみると以下になります。

台湾積体電路製造やコインベース、CMEグループの時価総額が相対的に大きいですね。
これだと分かりにくいのでこのファンドには組み込まれていませんが、アマゾンドットコムとビザの時価総額とも比べてみましょう。

この2社の時価総額と比較するとこのファンドの組入銘柄の時価総額はかなり小さいことが分かります。時価総額が小さいから悪い会社ではもちろんございませんが、リスク度合いは大きくなります。
これらの時価総額の小さい企業に集中投資をしているので調整局面では下落幅が大きくなる可能性があります。
インカム狙いでこのファンド一択で保有するのはあまりオススメできないかもしれません。
パフォーマンスは未知数
設定日以降のパフォーマンスはこちらになります。

綺麗な右肩下がりです。運用期間も3か月程度しかありませんから、この動きだけで良くないファンドだと判断することはできません。
分配金実績も2021年4月の50円だけです。
ちなみに分配方針は以下になります。

方針としてはAB米国成長株投信と同じです。基準価格の推移も冴えませんから現状では中々厳しいですね。
テーマ型投信ですからこのままブロックチェーン関連株式が低迷すれば、長い期間苦しまないといけない可能性もありますから、今は少し様子見でも全然良いと思います。
結論:今は買う必要はない。。
予想分配金提示型ファンドの中で運用管理コストは最安のファンドである『インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド』の特徴をご紹介しました。
主な特徴としては、ブロックチェーン関連株式を投資対象とするファンドであり投資対象国や通貨はしっかり分散されています。
ただ投資セクターについては、情報技術と金融だけでポートフォリオの75%を占めており時価総額も比較的小さい銘柄が組み込まれているためリスク度合いは高くなる可能性があります。
投資初心者の方や、リスク許容度が高くない投資家の方はあまり保有しないもしくは投資金額を抑えた方が良いと思います。
個人的には基準価格が10,000円前後くらいに戻るまで買うのを待っても悪くはないと思います。
参考になれば嬉しいです。
ではまた
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