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【商品価格上昇は継続!?】5月のピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の分配金報告

2024年6月1日

こんにちは。かわ吉です。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の5月の分配金が発表された。

5月の分配金は以下。

ちなみに4月の分配金は以下。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算型・予想分配金提示型)は10カ月連続の分配金となった。分配金は4カ月連続の100円。いいじゃん。

決算日の前営業日の基準価格に応じた分配方針通りの分配金が支払われた。ルールがあるって素晴らしい。

ちなみにこのファンドの分配方針は以下。

人気のインカムファンドであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースの分配方針と比較すると分配方針は細分化されている。

このファンドの詳細や魅力は以下の記事で解説済。

ここ数年は、米国株ブームもあり、米国株や先進国株がメインの投資対象であるインカムファンド(AB米国成長株投信や世界のベスト)に集中投資している人も多い。

今後、経済成長率で比較すると先進国より新興国の方が高くなる見通しであり、新興国株が先進国株をアウトパフォームするフェイズが来る可能性も十分にある。

そのように考えると短期的には、AB米国成長株投信や世界のベストでは安定したインカムが狙えない。かも。ということはこれらのファンドに以外に分散投資して、インカムの収入源を増やすことも大切。かも。

そして、その分散投資の対象として有効になるかもしれないのが、ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)

このファンドのコンセプトや予想分配金提示型などの仕組みは非常に投資妙味を感じる。

ただ一方でこのファンドは2023年4月に設定された比較的新しいファンド。できたてほやほや。

つまり、実力は未知数。良く言えば可能性は無限大。とはいえ、基準価格や分配金実績の経過観察をして投資判断をするべき。

そこで、毎月発行される月次レポートをベースにこのファンドの動向をチェックしていく。

現時点ではPV数が伸びないのでほとんどの投資家はノーマーク。これは伸びしろですね~~(本田圭佑)

とりあえずこの記事が読者の資産運用の一助になればうれしい。

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ファンドの基本情報

■ファンドの現況

基準価格と純資産価格の推移は以下。

基準価格は対前月比で+122円(+0.97%)となり、純資産も+5.7億円(+8.8%)となった。基準価格の伸びよりも純資産の伸びの方が大きいため投資家の資金流入もかなりあると予想する。

とりあえず現時点では基準価格と純資産ともに堅調に推移している。

当ブログでは、基準価格と同等もしくはそれ以上に純資産が大切だと考えている。なぜなら、純資産が少なすぎると長期保有することが難しくなるから。これは純資産が少ないことでファンドが繰上償還するリスクがあるからだ。

そしてその繰上償還のリスクが高まる水準が、純資産30億円と言われている。だから、純資産が30億円を長期間下回っているファンドには注意した方がいい。

ただ、ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)はその心配は不要。現時点で56.7億円あり純資産も右肩上がりに成長しているから。安心安全。

さて、ちなみに2024年2月以降の基準価格変動の内訳は以下。

株価は下落したけど円安でカバーした。そんな感じ。

ポートフォリオの状況

次にファンドの中身を変化をチェックする。

国別の投資比率に大きな変化はない。インド・ブラジル・メキシコの3トップ。バルサでいうならメッシ・スアレス・ネイマール。

投資比率も特定の国に偏っていないのでOK。1つの国に対する投資比率は高くても20%程度。

新興国株投資は、先進国株式と比較してカントリーリスクが高いので、分散投資が基本。 一般的に新興国は政治・経済・社会情勢が先進国と比較して不安定だから。クーデーターは日常茶飯事。

続いて業種別の投資比率は以下。

引き続き金融セクター中心のポートフォリオ。

続いて組入上位10銘柄をチェックする。

組入比率が一番高いナスパーズは南アフリカのネット企業。消費者向けにインターネット関連サービスなどを提供する企業。世界のインターネット関連企業に投資を行う。

市場概況と今後のポイント

以下はピクテの見解。

■市場概況

4月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で上昇した。

新興国株式市場は月前半、3月の米ISM製造業景況指数が市場予想に反し活動拡大を示したことや、その後発表された3月の米消費者物価指数(CPI)のコア指数が3ヵ月連続で市場予想を上回る伸びとなったことなどを受けて米長期金利が上昇したことに加えて、中東情勢の悪化などが重荷となり低調な推移となった。月後半は、中東情勢の緊張緩和の兆しや、米ハイテク大手企業の好決算期待などから米ハイテク銘柄が反発したことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が和らいだほか、中国の不動産市場の底打ち期待なども追い風となり、上昇基調に転じた。
国別では、中国は、当局が金融市場の支援政策を打ち出したほか、中国本土の不動産規制緩和の動きを受けて不動産市場の底打ち期待が高まったことなどがプラス材料となり、相対的に大きく上昇した。南アフリカは、中東情勢の悪化を受けて金価格が上昇したことなどから金鉱株が上昇したほか、主力のインターネット銘柄が上昇したことなどがけん引し、上昇した。インドは、需要拡大期待などから素材セクターの銘柄が上昇したほか、好決算期待が高まる自動車銘柄や予想を上回る決算を発表した銀行銘柄などを中心に上昇した。ブラジルは、金融セクターをはじめ内需関連銘柄が低調であったことから下落した。台湾は、月初に発生した大地震の影響が懸念されたほか、大手半導体企業が世界の半導体市場の見通しを下方修正したことを受けて、大きく下落する局面があり、月間でも相対的に低調となった。韓国は、総選挙で与党が敗北し、市場改革が停滞するとの懸念が高まったほか、主力の情報技術セクターの下落が響き、相対的に下落率が大きくなった。

◆今後のポイント

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更はない。
新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にある。
2024年の新興国における政治イベントでは、1月の台湾総統選挙は与党・民進党の頼氏が勝利して終え、韓国の総選挙では与党が敗北する結果となった。インドでは総選挙の投票が始まり、今後、南アフリカの総選挙、メキシコの大統領選挙などが控えている。こうした政治イベントの動向を受けて、株式市場の値動きは大きくなる可能性もあり、注視が必要と考える。
東南アジアについては、アジアにおける製造拠点の分散化の流れなどから恩恵を受けると予想される。
南米では、メキシコは、米企業などの「ニアショアリング(事業拠点の近隣移転)」先として恩恵を受けると期待される。また、ブラジルの利下げサイクルは、景気下支えに向けて想定以上に長期化する可能性があるとみている。
また、注目が集まっているAI(人工知能)の進展は、情報技術セクターの株価にプラス材料となるが、特に台湾がその恩恵を受けるとみている。
世界経済の減速懸念が高まる一方、インドについては、足元の景気動向についても概ね良好で、長期的にも相対的に高い経済成長が期待できるとみていまる。しかし、バリュエーションは相対的に高水準で、銘柄選別が重要になると考える。

商品価格上昇継続か?恩恵を受ける新興国株とは?

以下はピクテの見解。

■新興国株式は足もとでは世界株式を上回って上昇

新興国株式は、足元2ヵ月間(2024年2月12日から4月12日)で、他の資産に比べて上昇率が高くなり、世界株式を上回る上昇となった。この期間、上昇率が最も高かったのは商品指数で、それに続いて新興国株式、世界バリュー株式など、商品価格と連動する傾向がある資産が続いた。

最近の商品価格は、ウクライナや中東の紛争による地政学リスクの高まり、輸送コストの上昇、エルニーニョ現象による食品価格の高騰などを背景に上昇しているとみられる。景気の先行き不透明感が高まるなか、今後、景気減速となれば商品需要が減少し、商品価格の下押し材料になる可能性も考えられる。一方、米国をはじめ多くの国では金融政策の引き締めが終わりに近づいていることに加え、主要な石油輸出国の政治的・地政学的な動きや、国家安全保障に関連したサプライチェーンの強化による経済の分断から、供給面の問題で商品価格がさらに上がる可能性もあると考えられる。

■ 商品価格の上昇は特に労働人口が増加する新興国株式の追い風になるとみる

商品価格を新興国株式の世界株式に対する相対パフォーマンスに2年先行させたグラフが以下。

過去の傾向としては、商品価格(2年先行)と新興国株式の世界株式に対する相対パフォーマンスが同じような動きをしていました。つまり、商品価格が上昇するとその後、新興国株式のパフォーマンスが世界株式のパフォーマンスを上回って推移し、商品価格が下落するとその後、新興国株式のパフォーマンスが世界株式のパフォーマンスを下回って推移する傾向があったということを示す。

商品価格の先行きは不透明ではあるものの、2020年4月あたりをボトムに上昇傾向となっていることや、新興国株式が世界株式から大きく出遅れていることなどを踏まえると、新興国株式への注目が高まる可能性もあると考えられる。

新興国の国別の株価指数と商品価格との相関を見ると、労働人口が増加している新興国の株式の方が商品価格との連動性が相対的に高い傾向にあるため、商品価格が上昇した場合は、これらの国の株式のパフォーマンスにプラスに寄与するものと期待される。

■ 商品価格の上昇は新興国通貨にも追い風になるとみる

新興国通貨に関しても、商品価格と連動性が高い傾向があり、商品価格の上昇は新興国通貨にも追い風になるとみられる。

■ 労働人口増加国に投資する投資対象ファンドは主要株式をアウトパフォーム

当ファンドは、1)先進国よりも高い成長が期待される新興国の株式に分散投資を行い、2)新興国の中でも労働人口が増加する国に注目し、3)割安な高クオリティ銘柄を厳選して、投資を行う。

当ファンドの主要投資対象ファンドのパフォーマンスは、対米国株式での相対パフォーマンスのボトムである2021年12月15日から、直近2024年4月12日まででみると、米国株式やインド株式をはじめ、新興国株式などを上回って上昇している。

■ 見通し

新興国の株式市場については、1)先進国を上回る経済成長期待、2)商品価格の上昇、3)割安な株式のバリュエーションなどが、今後の株価上昇のポイントになるとみている。

地政学リスクの高まり、米国の金融政策動向などが金融市場のボラティリティ(価格変動)を高める要因となる可能性について留意する必要があるが、市場の調整局面でも、新興国株式の一段の株価収益率(PER)縮小のリスクは比較的小さいとみている。このため、今後の市場の調整局面では、中長期的な投資機会となる可能性も考えられる。

※当ファンドの投資対象国

分配金は順調に推移

4カ月連続で100円の分配金を記録した。確実に分配金水準は上がった。

ただ、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dと比較して分配方針が細分化されているので分配金の爆発力がないのは残念だが。

そして、このファンドはあくまで新興国株式ファンドなのでリスクは高い。だから、リスク許容度が低い投資家の集中投資は危険。no more 集中投資。

ABDや世界のベストと併せて保有するのはOK。

ただ販売会社はまだまだ少ない。

まだまだ多くの投資家にとって身近なファンドにはなれていないけど、個人的には今後が楽しみなファンドの1つ。

引き続き動向を追っていきたい。

以上。



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