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【分配金水準は次のステージへ】3月のピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の分配金報告

2024年4月3日

こんにちは。かわ吉です。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の3月の分配金が発表された。

3月の分配金は以下。

ちなみに2月の分配金は以下。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算型・予想分配金提示型)は9カ月連続の分配金となった。分配金は2カ月連続の100円。いいじゃん。

決算日の前営業日の基準価格に応じた分配方針通りの分配金が支払われた。ルールがあるって素晴らしい。

ちなみにこのファンドの分配方針は以下。

人気のインカムファンドであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースの分配方針と比較すると分配方針は細分化されている。

このファンドの詳細や魅力は以下の記事で解説済。

ここ数年は、米国株ブームもあり、米国株や先進国株がメインの投資対象であるインカムファンド(AB米国成長株投信や世界のベスト)に集中投資している人も多い。

今後、経済成長率で比較すると先進国より新興国の方が高くなる見通しであり、新興国株が先進国株をアウトパフォームするフェイズが来る可能性も十分にある。

そのように考えると短期的には、AB米国成長株投信や世界のベストでは安定したインカムが狙えない。かも。ということはこれらのファンドに以外に分散投資して、インカムの収入源を増やすことも大切。かも。

そして、その分散投資の対象として有効になるかもしれないのが、ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)

このファンドのコンセプトや予想分配金提示型などの仕組みは非常に投資妙味を感じる。

ただ一方でこのファンドは2023年4月に設定された比較的新しいファンド。できたてほやほや。

つまり、実力は未知数。良く言えば可能性は無限大。とはいえ、基準価格や分配金実績の経過観察をして投資判断をするべき。

そこで、毎月発行される月次レポートをベースにこのファンドの動向をチェックしていく。

現時点ではPV数が伸びないのでほとんどの投資家はノーマーク。これは伸びしろですね~~(本田圭佑)

とりあえずこの記事が読者の資産運用の一助になればうれしい。

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ファンドの基本情報

■ファンドの現況

基準価格と純資産価格の推移は以下。

基準価格は対前月比で+458円(+3.8%)となり、純資産も+9.3億円(+19.6%)となった。基準価格の伸びよりも純資産の伸びの方が大きいため投資家の資金流入もかなりあると予想する。

とりあえず現時点では基準価格と純資産ともに堅調に推移している。

当ブログでは、基準価格と同等もしくはそれ以上に純資産が大切だと考えている。なぜなら、純資産が少なすぎると長期保有することが難しくなるから。これは純資産が少ないことでファンドが繰上償還するリスクがあるからだ。

そしてその繰上償還のリスクが高まる水準が、純資産30億円と言われている。だから、純資産が30億円を長期間下回っているファンドには注意した方がいい。

ただ、ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)はその心配は不要。現時点で56.7億円あり純資産も右肩上がりに成長しているから。安心安全。

さて、ちなみに2023年12月以降の基準価格変動の内訳は以下。

2024年2月は株価上昇と円安で基準価格を押し上げた。

ポートフォリオの状況

次にファンドの中身を変化をチェックする。

国別の投資比率に大きな変化はない。インド・ブラジル・メキシコの3トップ。バルサでいうならメッシ・スアレス・ネイマール。

投資比率も特定の国に偏っていないのでOK。1つの国に対する投資比率は高くても20%程度。

新興国株投資は、先進国株式と比較してカントリーリスクが高いので、分散投資が基本。 一般的に新興国は政治・経済・社会情勢が先進国と比較して不安定だから。クーデーターは日常茶飯事。

続いて業種別の投資比率は以下。

引き続き金融セクター中心のポートフォリオ。

続いて組入上位10銘柄をチェックする。

組入比率が最も高いエマール不動産は、UAEの不動産会社。不動産の投資、開発、ショッピングセンター、小売センター、ホスピタリティ、不動産管理サービスを手掛ける。

組入比率が2番目に高いマンディリ銀行は、インドネシアの国営銀行。商業銀行サービスを提供している。

市場概況と今後のポイント

以下はピクテの見解。

■市場概況

2月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で上昇。
新興国株式市場は月初、中国当局が株価下支え策を発表したほか、景気刺激策を継続する姿勢を示したことなどを受けて、安心感が広がり、上昇した。その後、中国の消費者物価指数(CPI)が2009年以来の大幅低下となるなど、中国の需要の弱さを示す経済指標が発表されたほか、米国の消費者物価指数(CPI)が予想以上の伸びを示したことを受けて利下げ期待が後退したことなどもマイナス材料となり、低調な動きとなる局面もあった。しかし、月後半にかけては、中国の春節期間中の消費・旅行支出がコロナ禍前の水準を上回るなど消費回復への期待が高まったことや、米大手半導体企業の好決算などを受けた半導体・AI関連株価高の流れの中で上昇基調となり、月間でも上昇となった。
国別(現地通貨ベース)では、中国は、当局による株価下支え策や景気刺激策が好感されたほか、春節中の消費好調などを受けて個人消費の回復期待が高まったことなどから、相対的に大きく上昇。インドは、当局が発表した2024年度予算案で、総選挙を控えている中でも「ばらまき」を抑え、財政再建を重視し、投資家の信頼獲得を目指す方針が堅持されたことが好感されたほか、良好な業績動向を受けて自動車やITサービス企業などの株価が上昇する流れの中で、市場全体でも上昇。ブラジルは、良好な決算と利益見通しを発表した金融や資本財・サービスセクターの銘柄などを中心に上昇しましたが、上昇率は相対的に小幅にとどまった。南アフリカは、減益決算を発表した素材セクターの企業などを中心に下落。

■今後のポイント

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更なし。
新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にある。
東南アジアについては、アジアにおける製造拠点の分散化の流れなどから恩恵を受けると予想される。また、これまでの利上げにより政策金利が高水準にあるインドネシアなどでは、利下げ転換の可能性もあるとみている。
インドについては、世界経済の減速懸念が高まるなかでも、足元の景気動向は概ね良好で、長期的にも相対的に高い経済成長が期待できる。しかし、バリュエーションは相対的に高水準で、銘柄選別が重要になると考える。
南米では、メキシコは、米企業などの「ニアショアリング(事業拠点の近隣移転)」先として恩恵を受けると期待される。また、ブラジルは依然として政策金利は高水準ですが、利下げに転換している。
2024年の新興国における政治イベントでは、インドなどで総選挙が実施される予定。こうした政治イベントの動向を受けて、株式市場の値動きは大きくなる可能性もあり、注視が必要と考える。
また、注目が集まっているAI(人工知能)の進展は、情報技術セクターの株価にプラス材料となるが、特に台湾がその恩恵を受けるとみている。

分配金水準は1段上がった

2カ月連続で100円の分配金を記録した。確実に分配金水準は上がった。

ただ、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dと比較して分配方針が細分化されているので分配金の爆発力がないのは残念だが。

そして、このファンドはあくまで新興国株式ファンドなのでリスクは高い。だから、リスク許容度が低い投資家の集中投資は危険。no more 集中投資。

あとこのファンドは販売会社が少ない。

現状の販売会社は以下。徐々に増えてきたが、まだまだ少ない。

ちなみにSBI証券での取扱は対面販売のみのため実質的に買える投資家はかなり少ないと思われる。

とはいえ、個人的には今後大きく成長するインカムファンドと予想しているのでこのまま動向を追っていこうと思う。

以上、お役に立てればうれしい。

このファンド以外にもインカムファンドの分配金報告記事は以下。



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