こんにちは。かわ吉です。
予想分配金提示型ファンドはインカム狙いの投資家には最適な仕組みの1つです。
メリットやデメリットについては過去の記事で解説していますので、まだご覧になられていない方はまずこちらからお読みください。
私のお気に入りファンドはAB米国成長株投信(予想分配金提示型)ですが、これを上回るファンドが出てこないか実はワクワクして待っているんです。
この予想分配金提示型という仕組みを導入したファンドは、新たにドンドン設定されていて投資家の選択肢も増えてきています。そこでこの『予想分配金提示型シリーズ』では、予想分配金提示型の様々なファンドを分析してインカム投資家の投資判断の材料として役立てもらえたらうれしいです。
そして今回ご紹介するファンドは『ロボット・テクノロジー関連株ファンド-ロボテック-』です。
設定日は2020年6月25日と運用期間は約1年とまだ浅い商品ですが、直近1年のパフォーマンスはAB米国成長株投信を上回るなど実力を持ったファンドの1つです。
この投信の魅力をAB米国成長株投信と比較しながら分析してみます。
当ファンドの概要
当ファンドの概要は以下になります。
設定日 | 2020.6.25 |
委託会社 | 大和アセットマネジメント |
純資産 | 11.08億円 |
信託報酬 | 1.8150% |
信託財産留保額 | - |
純資産が少ないのが気になります。理由は、おそらく販売会社の少なさです。

ネット証券を中心に4社しか取扱い販売会社がありません。大手証券なども加われば純資産も大きく増える可能性はありますが、この状態では大きな投資資金の流入は見込みにくいかもしれません。
信託報酬については、予想分配金提示型ファンド界隈であればこのくらいの水準が平均的ではないでしょうか??

どちらかと言えば集中投資
このファンドは、日本を含む世界のロボット関連企業の株式を投資対象としています。

昔、流行ったグローバル・ロボティクス・ファンド(グローバル・ロボティクス株式ファンド|日興アセットマネジメント (nikkoam.com)と方向性はほぼ一緒ですね。

組入銘柄数は56銘柄と、AB米国成長株投信・グローバルAIファンドと比較すると以下のようになります。

代表的な予想分配金提示型ファンドと比較すると大差はありませんが、投資信託全般で比較すると集中投資に分類されると思います。
ただ国やセクターに関しては分散投資されています。

国・地域別構成もアメリカが約6割で残りの4割は先進国を中心に構成されています。セクターに関しても、半導体セクターを筆頭に比較的偏りなく分散投資されています。
安心して長期保有できるかどうかは、国・地域やセクターがしっかり分散されているかどうかが大切な判断基準です。
その点では、このファンドはそれを今のところ満たしているように思えます。
分配金実績も問題なし
インカム投資家にとって重要なことは、分配方針とその実績です。
分配方針は以下のようになります。

AB米国成長株投信との違いは基準価格が『10,000以上11,000円未満』の場合の分配方針のところですね。

AB米国成長株は11,000円未満は『100円か出すかどうか分からないよ!』と少し濁した分配方針になっていますが、当ファンドは『10,000以上11,000円未満は100円出すよ!』で『10,000円未満は基本的には出さないよ!』と明確な分配方針を取っています。
分配金の明確な方針があった方が良い人は当ファンドを選べば良いと思います。そこまで気にされる方はそこまで多くないでしょうが。。。
分配金実績はどうでしょうか??直近1年で見てみましょう!

月ベースで見ると分配金が異なりますが直近1年の年間分配金はともに2300円でした。分配金実績に大きな差はありません。
受け取れる分配金は同じなのであとは好みの問題ですね。
組入銘柄
当ファンドの組入上位10銘柄は以下になります。

グーグルやアマゾンなど巨大ハイテク企業も組み込まれています。キーエンスやファナックといった日本企業も組み込まれているのも特徴ですね。
ちなみにリスク度合いの観点で見ると時価総額の大きくない企業の組入比率が高いとリスク度合いが大きくなる傾向があります。
当ファンドとAB米国成長株投信の上位10銘柄の時価総額を比較してみましょう。
まずは当ファンドです。

アルファベットとアマゾンの時価総額が化け物過ぎて他の企業の時価総額が小さく見えすぎますね。
続いてAB米国成長株投信の上位10銘柄の時価総額です。

AB米国成長株投信は、比較的時価総額が大きい銘柄が組入上位銘柄として入っています。
組み入れ銘柄で比較すると当ファンドとAB米国成長株投信を比較すると、当ファンドの方がリスク度合いが高くなるかもしれません。
パフォーマンス
直近1年で比較してみます。

直近1年でみるとと当ファンドがAB米国成長株投信を約6%ほどアウトパフォームしています。
信託報酬の差は、0.08%/年ですからコストの差以上のパフォーマンスを出していますから悪くはないでしょう。
ただデータが1年しかありませんから、長期的に見てどのくらい差が出てくるかは注意が必要です。
まとめ
『ロボット・テクノロジー関連株ファンド-ロボテック-』は設定日から1年しか経っていない予想分配金提示型ファンドです。
予想分配金提示型ファンドの王者であるAB米国成長株投信と比較してみてこのファンドの魅力について解説しました。
信託報酬・分配金実績に大きな差はなかったですが、組み込まれている銘柄の時価総額はAB米国成長株投信の方が大きいため当ファンドはリスク度合いが少し高くなる可能性はあります。
投資対象の国は、アメリカのみではなく日本企業やその他先進国企業の株式も組み込まれているため全世界株式型への投資をしながら安心して使える分配金が欲しいインカム投資家には最適なファンドの1つになる可能性があります。
運用実績がまだそこまでないのでこの点には注意が必要です。このファンドへのフル投資は今の段階ではしない方がよいかもしれません。
ではまた
以下のような記事も書いています。
AB米国成長株投信に匹敵する予想分配金提示型ファンドである『グローバルAIファンド』について解説しています。
予想分配金提示型ファンドの王者である『AB米国成長株投信』の弱点についても解説しています。