サテライト投資

【知らなきゃ損】仕組債が危険な商品である理由 TOP3

こんにちは。かわ吉です。

『仕組債』とは、文字通り,一般的な債券にはない特別な「仕組み」を持つ債券です。この「仕組み」とは、スワップやオプションなどのデリバティブ(金融派生商品)のことを指します。つまり、「一般的な債券」に「デリバティブ」を組み込んだ債券を「仕組債」ということになります。

出所:楽天証券

よく売られている仕組債の代表銘柄として「EB債」と「株価指数連動(リンク)債」の発行が多く証券会社から紹介されるのもこの2種類が圧倒的に多いです。

これらの仕組債は、参照銘柄の値動きによって、商品の条件が変動する代わりに、通常の債券よりも高利回りが期待できます。1年満期で10%を超える債券の発行も可能です。

利回りだけ見ると魅力的な商品に見えますが、仕組債は実はかなり危険な商品の1つなんです。

そこで今回は、仕組債の代表銘柄である「EB債」や「株価指数連動(リンク)債」が危険な商品である理由を解説しようと思います。

この記事は、証券会社から仕組債を提案されているけど本当に良い商品なのか分からず困っている人が仕組債の危険度やリスクを知り、買うべきかどうか判断できるようになります。

もちろん危険だから『仕組債』を買ってはいけないということではなく、一番怖いのは『仕組債』のリスクや特徴を理解せずに保有することですから、しっかりリスクや特徴を理解した上で保有するのは全く問題ないと思います。

ではいきましょう。

ちなみに今回は「EB債」や「株価指数連動(リンク)債」を仕組債と定義して解説します。

リターンとリスクは割に合っていない

仕組債の利回りが10%を超えると聞くと、素晴らしいリターンだと思う人が大半です。ただ、このリターンが取るリスクに対して割に合うかというと、結論として割には合わないと思います。

その理由は、「仕組債」の仕組みに隠されています。

出所:楽天証券

仕組債はギャンブルです。どのようなギャンブルかというと「株価がある一定の範囲で一定期間推移する方に賭ける」というものです。

このギャンブルに勝てば早期償還判定日毎に高い利回りの配当金を受け取ることができます。上の表で言うと②のケースですね。

ただ、一定の範囲を超えた(ノックアウト)してしまった場合は、債券が償還され投資元本が戻ってきて配当金はそれ以上受け取ることができなくなります。上の表で言うと①のケースです。この場合は、もらえる配当金は少なくなりますが元本は棄損しないので実損は発生していません。

怖いのは一定の範囲を下回った(ノックイン)した場合です。ノックインした場合は、現金ではなくその参考にしている銘柄の株式で戻ってくるリスクが発生します。上の表で言うと③のケースです。ノックインして株価が債券を購入した際の水準に戻らなければ株式で返ってきます。

たとえば、ノックアウトが1,050円でスタートが1,000円でノックインが600円で満期まで1年・金利10%の条件で1,000万円の仕組債を購入したとします。

そして半年後に株価がスタートの半分である500円まで下がるとノックインしたことになります。この時点では何も起こらず、償還になる1年後に株価が800円に戻った場合、スタートの値段(1,000円)で1,000万円分を購入して償還されます。ただ株価は800円になっていますから、評価額800万円で株式で償還されます。マイナス200万円の含み益を抱えたことになります。

ただ10%の配当金はノックインしてももらえます。ただ元金は20%マイナスで配当金10%もらってもトータルではマイナス10%です。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、リターンは限定的になのに対して損失は無限大とまでは言わないまでも大きくなる可能性が高いです。

10%の利回りなんてノックインすれば一発でぶっ飛びます。

基本的にリスクの高い銘柄で組成されている

ノックインが一番のリスクであれば、『ノックインしにくい銘柄で仕組債を購入すればいいじゃん!!』と誰もが考えます。ただ仕組債の難しいところとして動きの小さい銘柄は、金利が低かったりそもそも仕組債が参照する銘柄にできなかったりします。

そうなると仕組債で高金利がつくのは、比較的株価の動きが大きい銘柄になります。

たとえば、最近の株価の動きで高金利が狙える銘柄としてレーザーテック(6920)があります。

出所:アイザワ証券

2019年から約2年で株価は4倍以上になっています。ちなみにこの銘柄のPERは177.2倍です。利益が圧倒的なペースで伸びていますが、この高成長が鈍化したときの下落幅はおそろしいものがあります。

あとは外国株で組成することもできます。高金利代表としては、テスラも有名です。チャート的には危険な香りしかしませんね(笑)

出所:アイザワ証券

仕組債に参照される銘柄はノックインする可能性が高い銘柄であることが多いです。

いつかノックインして失敗する

仕組債は、ノックインするまで切り替え続ける人が比較的多い商品です。つまり、うまくノックインせずに高金利の恩恵を受け続けても償還するたびに新しい仕組債を買い続けたらいつかノックインして失敗します。

証券会社も新しい仕組債を買ってもらうたびに手数料が入りますし、買う側も次もうまくいくと考え仕組債を買い続けます。

そして最終的にはノックインして、これまで得た利益は全てぶっ飛ぶ可能性もあります。

だから、うまくいっているときこそ一度立ち止まり冷静になる必要があります。ハズレくじを引いてしまう前に、仕組債から手を引こうと判断する決断力も重要です。

まとめ

仕組債は一見すると高金利が狙える商品です。ただそれなりのリスクがあって危険な商品でもあります。

危険な理由としては、リターンとリスクが割に合っていない・基本的にリスクの高い銘柄で組成されている・いつかノックインして失敗するでした。

ただ必ずしも悪い商品とは言い切れません。仕組債は短期間で高金利を狙うことができる商品です。ノックインすると株券で返ってきますから、株券で返ってきても大丈夫な銘柄の仕組債を購入するもしくはノックインしてもそれをカバーできるだけの資金があるなどのリスクヘッジをしっかりされたうえでの買付は問題ないと思います。

しっかりリスクと特徴を理解して、リスクヘッジもした上で買い付けをするか検討しましょう!!

ではまた

-サテライト投資