こんにちは。かわ吉です。
前回の記事でアライアンスバーンスタイン米国成長株投信が金利上昇耐性ついて解説しました。
この記事の結論としては以下になります。
アライアンスバーンスタイン米国成長株投信は金利上昇に対して弱い(少なくともS&P500種指数よりは弱い)
その理由については、今回の記事でも解説しますのでご安心ください。
金利上昇局面に強いか弱いかはPER(株価収益率)が1つの重要なポイントになってくると思います。そう考えるとアライアンスバーンスタイン米国成長株投信よりもライバルファンドであるグローバルAIファンド(予想分配金提示型)は少しヤバいそうな匂いがしますかそのあたりはどうですか??
実は私も同じことを気にしていました。2021年の予想分配金提示型ファンドの分配金ランキングは見事1位でしたから、分配金狙いのホルダーの方も多かったのではないかと思います。
前回みたいにグローバルAIファンドの金利上昇耐性について調べてくれませんか??
任せてください!!検証してみましょう。グローバルAIファンド(予想分配金提示型)の中身はガチガチのグロース株ですからかなり厳しい結果になんじゃないかと思います。
ということで今回は、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信のライバルファンドであるグローバルAIファンド(予想分配金提示型)が金利上昇に耐えうるか検証してみようと思います。
今回の記事を読んでいただくと以下のメリットがあります。
グロース株が金利上昇局面で弱い理由が分かる
グローバルAIファンド(予想分配金提示型)が金利上昇局面に強いかどうか分かる
グローバルAIファンド(予想分配金提示型)ホルダーが覚悟すべきことが分かる
この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。
ではいきましょう。
①金利上昇とグロース株の相性が論理的に悪い理由
まずはこの式からご覧ください。
PV=FV÷(1+rt)
もう見るの止めていいですか??
ちょっと待って!!そんなに難しいことではないから!!
PV=FV÷(1+rt)
PV:現在価値(=今の株価)
FV:将来価値(=未来の株価)
r:金利
t:時間
仮に将来価値を100とした場合、金利を5%、すなわち0.05とすれば、
PV=100÷(1+0.05×1)=100÷1.05=95.24
となります。
金利の数字が大きくなるとPVが小さくなってしまうということですね。
仰る通りです。これがなぜ金利上昇局面で株価が下がる理由の1つです。
株価への影響が大きいのは分かりましたが、グロース株の方が影響が大きい理由はなんですか??
それは、グロース株の多くは未だ利益が出ておらず遠い将来に始めて黒字化するという点です。
PV=FV÷(1+rt)
先ほどの式で言うと『t』の部分が大きくなることを意味します。するとそういう企業ほど金利上昇の悪影響をもろに受ける可能性があります。
だからグロース株が多いグローバルAIファンドは注意が必要なんですね。
そうですね。先ほどの『t』の数字の大きさを図る指標としてはPER(株価収益率)が1つに参考値になると思います。
PERは、投資資金を1株益だけで回収するのに何年かかるかを表しています。だから『t』を図る指標としては有効だと思います。
PER|投資の時間|日本証券業協会 (jsda.or.jp)
②組入上位10銘柄は金利上昇に強いのか??
では、グローバルAIファンド(予想分配金提示型)の組入上位銘柄をまずは見てみましょう。
こちらは最新の月次レポートに掲載されている組入上位10銘柄です。グローバルAIファンド(予想分配金提示型)の組入銘柄数は81銘柄ということでアライアンスバーンスタイン米国成長株投信の49銘柄よりは分散されて投資されています。
ちなみに上位10銘柄が占める割合は約35%ですから、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信よりも集中投資ではありませんね。
アライアンスバーンスタイン米国成長株投信より組入銘柄がよりグロース寄りだから銘柄数を増やしてリスクを抑えているのかもしれませんね。
その可能性はありますね。
では、PERを比較した結果を見てみましょう!!
個別銘柄は1月7日でS&P500種指数のPERは2021年9月末のデータなので少し割り引いて見てください。
テスラ・ズームインフォを筆頭にPERは高いですね。異次元な感じがします(笑)
そうですね。ましてやマーベルとプラグパワーについてはまだ赤字企業でした。アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の組入ファンドと比較するとかなりキャラクターを異なりますね。組入銘柄のPERを比較するだけでそれは一目瞭然です。
投資方針についても高い成長が期待できる企業が投資対象ですから、組入銘柄のPERが高いのは仕方ないことかもしれませんね。
組入上位10銘柄についてはアライアンスバーンスタイン米国成長株投信やS&P500種指数と比較してもPERは圧倒的に高い
③グローバルAIファンド(予想分配金提示型)は金利上昇局面に強いのか??
結論としてはグローバルAIファンド(予想分配金提示型)は金利上昇局面に対してどうですか??
グローバルAIファンド(予想分配金提示型)は金利上昇局面には弱いと考えます。
現に直近1か月のパフォーマンスを比較すると一目瞭然です。
1月に入ってから米10年債利回りが急騰する局面がありましたが、その期間の基準価格の動きはグローバルAIファンド、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信、S&P500インデックスファンドで異なる変動幅でした。
PERが高い順で、金利急騰局面で下落幅が大きくなっていますね。
そうですね。だから、金利急騰局面ではグローバルAIファンド(予想分配金提示型)のポートフォリオの弱点が強く出てしまいますね。
まとめ
今回は、アライアンスバーンスタイン米国成長株投信のライバルファンドであるグローバルAIファンド(予想分配金提示型)が金利上昇局面に強いかどうか検証してみました。
結論としては以下になります。
グローバルAIファンド(予想分配金提示型)は金利上昇局面に弱い
その理由としては以下になります。
PERが圧倒的に高いもしくは赤字企業の組入銘柄が多い
ファンドの方針としても、高い成長が期待できる企業への投資ですから、当面は厳しい局面が続く可能性があります。現時点では、ホルダーの方は要注意です。
ただ長期保有の投資家については下手に売買する必要はないと思いますので、耐えて耐えて耐えまくりましょう!!
以上、お役に立てれば嬉しいです。
かわ吉はツイッター(かわ吉@現役地方銀行員のお金ブログさん (@fpkawakichi) / Twitter)もやっていますので是非フォローをよろしくお願いします!!