こんにちは。かわ吉です。
予想分配金提示型ファンドは、分配金の『質』を重視するインカム狙いの投資家にとって最適な仕組みを持ったファンドの1つです。
ただ、最近は予想分配金提示型ファンドの数も増加傾向にあり、投資家の選択肢は広がっています。しかし、その一方で投資家がどのファンドに投資すべきか決められない事態にもなっていると思います。
良く分からず買った予想分配金提示型ファンドがハズレだった場合、インカムも狙えず投資元本も大きく割れてしまうリスクも決して低くありません。
そこで、このブログでは商品と投資家のミスマッチを防ぐためにお、予想分配金提示型ファンドの解説をして投資家の判断基準となる情報を提供しています。
今回解説するファンドは、『フィデリティ・世界バリュー株式ファンドDコース(毎月決算型・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)』です。
インカム狙いの投資家がこのファンドへ投資する価値があるかについてまとめてみようと思います。
前回の記事で解説した『フィデリティ・世界割安成長株投信Dコース』とは、ファンド名は似ていますが、まったくの別モノなのでご注意ください。
ではいきましょう。
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フィデリティ・世界バリュー株式ファンドDコースの概要について
まずはこのファンドの概要について解説します。
委託会社・純資産・運用管理コスト等は以下になります
委託会社 | フィデリティ投信 |
基準価格(11/22) | 10,937円 |
純資産(11/22) | 148億円 |
運用管理コスト | 1.65% |
そして分配方針は以下になります。
概要と分配方針を見た率直な感想は以下になります。
・基準価格は10,000円を超えているため、購入直後に分配金を狙うことも十分可能である。
・純資産も148億円あり、繰上償還等のリスクも低い
・運用管理コストの年1.65%は予想分配金提示型ファンドの中では悪くない水準
全体的なバランスとしては、悪くないと思います。
では続きましてこのファンドのコンセプトについて解説します。
投資対象はバリュー株
このファンドの投資対象は、世界のバリュー株です。
フィデリティのグローバル調査体制を活用し、幅広く銘柄を調査して投資します。
それ以外の特徴は特にありません。
ポートフォリオの分析
では次に、組入国や組入銘柄・投資セクターについて解説します。
まずは、国別投資比率からです。
国別の投資比率を見ると90%がアメリカ株で構成されているので、ほぼアメリカ株に投資しているという認識でOKです。
次にセクター別の投資比率について見てみましょう。
資本財・一般消費財・金融がメインのポートフォリオですね。ただ、これだとごちゃごちゃしてして、よく分かりませんよね??
そこでかわ吉ブログでは、投資セクターを以下の3つに分けて考えるようにしています。
①金利敏感株:金利動向に大きく影響を受ける株式 リスク度合いは高い
②景気敏感株:景気動向に大きく影響を受ける株式 リスク度合いは高い
③ディフェンシブ株:金利動向や景気動向に大きく左右されにくい株式 リスク度合いは低い
ポートフォリオをこの3つに分けると、そのファンドがどのような局面で強いのか弱いのかイメージできるようになります。
では、その3つに分けた結果が以下になります。
このファンドの大半は、景気敏感株で構成されています。つまり、このファンドは金利動向よりも景気動向によって大きく左右されるファンドと言えます。
最近の相場環境で投資家がもっとも気にしていることは、FRBの金融政策の行方だと思います。ようは金利動向ですね。
今のような相場環境では、このファンドの基準価格は、金利敏感株の比率が高いファンドよりも底堅く推移していく可能性があります。
実際に、金利敏感株の比率が高いアライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dコースと基準価格を比較するとそれが良く分かります。
FRBの金融政策の行方が不透明な相場環境では、株価収益率(PER)の高い会社(金利敏感株)の株価は大きく変動します。だから、今のような相場環境では、株価収益率の低い銘柄もしくはそのような株式が多く組み込まれたファンドの方がリスクが低いと思います。
ちなみにこのファンドの組入銘柄の平均PERと世界株式の平均PERを比較した結果が以下になります。
世界株式の平均PERと比較すると、当ファンドのそれは40%低いです。その分、金利動向の不透明感が強い期間はリスク度合いが小さいと考えます。一方で、今後のFRBの金利政策が利下げ局面に入ってきたときの、上昇率は小さくなると考えています。そのときは、金利敏感株の比率が高いAB米国成長株投信やグローバルAIファンドの上昇幅の方が大きくなると考えています。
投資する価値はあるか??
このファンドへ投資する価値があるかということについては、『ある』と思います。
すでにアライアンスバーンスタイン米国成長株投信Dコースなどの金利敏感株の比率が高い投資家も『フィデリティ・世界バリュー株式ファンドDコース(毎月決算型・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)』を検討してもいいと考えます。
ただ、米国景気の後退のリスクも高まっていますから、景気動向の影響を強く受けるこのファンドへ投資する金額は小さい方が良いかもしれません。
このファンドは松井証券で買えない
予想分配金提示型ファンドの運用管理コストは、平均的なファンドと比較して高い傾向があります。だから、かわ吉ブログでは、予想分配金提示型ファンドを保有する際に少しでもお得になる証券会社を紹介しています。その証券会社は『松井証券』であるわけですが、今回のファンドは松井証券で取り扱っていませんでした。販売会社は、大和証券と四国銀行の2社だけでした。無念です。
ちなみにどうして松井証券がオススメなのかはこちらの記事で解説しておりますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。