こんにちは。かわ吉です。
予想分配金提示型ファンドは、分配金の『質』を重視するインカム狙いの投資家にとって最適な仕組みを持ったファンドの1つです。
ただ、最近は予想分配金提示型ファンドの数も増加傾向にあり、投資家の選択肢は広がっています。それ自体は悪いことではないですが、『選択肢が多い=投資家は迷う』という側面もあると思います。
良く分からずとりあえず買った予想分配金提示型ファンドがハズレだった場合、インカムも狙えず投資元本も大きく割れてしまうリスクも決して低くありません。
このブログでは、商品と投資家のミスマッチを防ぐためにも、予想分配金提示型ファンドの解説して投資家の判断基準となる情報を提供しています。
そこで今回解説するファンドは、『フィデリティ・世界割安成長株投信Dコース 愛称:テンバガー・ハンター』です。
インカムの狙いの投資家がこのファンドへ投資する価値があるかについてまとめていきます。
ではいきましょう。
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フィデリティ・世界割安成長株投信Dコースの概要について
まずはこのファンドの概要について解説します。
委託会社・純資産・運用管理コスト等は以下になります。
委託会社 | フィデリティ投信 |
基準価格(11/18) | 10,742円 |
純資産(11/18) | 442億円 |
運用管理コスト | 年1.65% |
そして分配方針は以下になります。
概要と分配方針を見た率直な感想は以下になります。
・基準価格は10,000円を超えているため、購入直後に分配金を狙うことも十分可能である。
・純資産も442億円あり、繰上償還のリスク等も低い
・運用管理コストの年1.65%は予想分配金提示型ファンドの中では悪くない水準
全体的なバランスとしては良いかなと思います。
では続きましてこのファンドのコンセプトについて解説します。
投資対象は未来のテンバガー株
このファンドは、フィデリティの一貫した投資哲学で、相場に惑わされることなく隠れたテンバガーの原石を世界中から発掘します。
そもそもテンバガーとは、株価が10倍になると期待される銘柄を指します。
元は野球用語で、1試合で10塁打を打つ強打者を意味していました。
投資の神様であり、フィデリティの伝説的ポートフォリオ・マネージャーであった、ピーターリンチが株式市場で‘‘10倍株‘‘を表現する言葉として、使い始めたと言われています。
そのピーターリンチの薫陶を受けテンバガー・ハンターの系譜を現在に継承する運用チームが当戦略の運用を担当し、このファンドが生まれました。
テンバガーの条件は以下の2つだと言われています。
①利益が成長するということ
②株価が割安であるということ
この2つの条件を満たす世界中の株式を詰め合わせたファンドが、『フィデリティ・世界割安成長株投信Dコース 愛称:テンバガー・ハンター』です。
ポートフォリオの分析
では次に、通貨別比率や組入銘柄や投資セクターについて解説します。
まずは通貨別比率からです。
通貨別比率で見ると、米ドルが65%を占めております。つまりこのファンドの大半は米国株という認識でOKです。
次にセクター別の投資比率について見てみましょう。
資本財・金融・一般消費財・情報技術あたりのセクターがメインと言えます。ただ、これだとごちゃごちゃしていて、良く分かりませんよね??
そこでかわ吉ブログでは、投資セクターを以下の3つに分けて考えるようにしています。
①金利敏感株:金利動向に大きく影響を受ける株式 リスク度合いは高い
②景気敏感株:景気動向に大きく影響を受ける株式 リスク度合いは高い
③ディフェンシブ株:金利動向や景気動向に大きく左右されにくい株式 リスク度合いは低い
ポートフォリオをこの3つで表現すると、そのファンドのリスク度合いがある程度イメージできます。
ではその3つに分けた結果が以下になります。
このファンドの大半は、景気敏感株で構成されています。だからFRBの金融政策の行方には、金利敏感株中心のファンドよりも影響を受けにくいと思います。
実際にこのファンドとアライアンスバーンスタイン米国成長株Dコース、グローバルAIファンドの基準価格の推移を比較してみましょう。
ちなみに金利敏感株の比率の高さ順は、『グローバルAIファンド>アライアンスバーンスタイン米国成長株投信D>当ファンド』となっております。
FRBの金融政策の行方が不透明な相場環境では、株価収益率(PER)の高い会社の株価は大きく変動します。だから、今のような相場環境では、株価収益率の低い銘柄の方がリスクは小さいと考えています。
ちなみにこのファンドの組入銘柄の平均PERと世界株式の平均PERを比較した結果が以下になります。
世界株式の平均PERと比較すると、当ファンドのそれは40%低いです。その分、金利動向の不透明感が強い期間はリスク度合いが小さいと考えます。一方で、今後のFRBの金利政策が利下げ局面に入ってきたときの、上昇率は小さくなると考えています。そのときは、AB米国成長株投信やグローバルAIファンドの上昇幅の方が大きくなると考えています。
投資する価値はあるか??
このファンドへ投資する価値があるかということについては、『ある』と思います。‘‘テンバガー‘‘と聞くと、ハイパーグロース株のようないけいけの成長株(3つの中で言うと金利敏感株)中心のポートフォリオかと思っていましたが、ふたを開けてみるとイメージとは真逆でしたね。
真逆であれば、金利敏感株の比率が高いアライアンスバーンスタイン米国成長株投信との相性も決して悪くないと思います。分散投資の候補としてはありです。
このファンドは松井証券では買えない
予想分配金提示型ファンドの運用管理コストは、平均的なファンドと比較して高い傾向があります。だから、かわ吉ブログでは、予想分配金提示型ファンドを保有する際に少しでもお得になる証券会社を紹介しています。その証券会社は『松井証券』であるわけですが、今回のファンドは松井証券で取り扱っていませんでした。
ちなみにどうして松井証券がオススメなのかはこちらの記事で解説しておりますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。