予想分配金提示型

【レポート解説】グローバルAIファンド(予想分配金提示型)の現状と見通しについて

2022年2月20日

こんにちは。かわ吉です。

三井住友DSアセットマネジメントよりグローバルAIファンド(予想分配金提示型)に関するレポートが出ていました。

予想分配金提示型ファンドの中でも、ゴリゴリの成長株ファンドのイメージがあります。

そうですね。イケイケのハイパーグロースの比率が比較的高いファンドですね。コロナショック後の金融緩和で恩恵を受けたファンドで分配金もアライアンスバーンスタイン米国成長株投信よりも多く出していた期間が長かったですから、インカム狙いで保有されていた投資家も多かったのではないでしょうか??

出所:三井住友DSアセットマネジメント

私もそのうちの1人です。。。ただ去年の11月以降、利上げの影響で基準価格がかなり低迷しています。ホルダーとしては、このファンドの見通しについて、かなり気になります。このまま保有していていいのやら。。。

そうですよね。そのような不安を感じている投資家も多いと思います。

今回はそのような不安を感じている投資家向けに三井住友DSアセットマネジメントがグローバルAIファンド(予想分配金提示型)のレポートについてのレポートが発行されましたので解説します。

この記事を読むと以下のメリットがあります。

足元の基準価格の下落要因が分かる

今後の市場見通し、運用方針が分かる

2022年に入り、組入比率を変更した銘柄が分かる

今回のレポートのポイントは以下になります。

2021年12月中旬以降、インフレ懸念の高まりなどを背景とした米国金融政策のタカ派的なスタンスへの変化などから、短期的な投資家により売り圧力が増し、AI関連銘柄の一部が大きく下落。

特に巣籠もり消費関連などのコロナショック以降に大きく上昇したAI関連銘柄が大きく調整し、グローバルAIファンドの基準価格に影響。

今後もデジタル化や生産性向上技術へのニーズが引き続き高まると予想され、特にAIを中心としてイノベーションを起こす企業が好業績を上げる可能性が高いと予想。

良好な業績やバリュエーション面で割高感が薄れつつある銘柄への投資に重点を置き、グローバルAIファンドのパフォーマンス向上に努める方針。

この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。

ではいきましょう。

米国金融政策のタカ派的スタンスへの変化

2020年のグローバルAIファンド(予想分配金提示型)の基準価格は、コロナショック後の反発局面において大きく上昇しました。しかし、2021年に入りAI関連銘柄の値動きが大きくなりました。経済回復の強さやインフレ懸念の増大により、米国の金融政策に対して次第にタカ派的な見方が広がったことが主な要因です。

なるほど。それが要因で、2021年12月以降は原油価格の一段の高騰を背景に米国の金融政策が想定以上に早く利上げを進めるとの見方に加え、オミクロン型の感染拡大による経済への影響が懸念され、AI関連銘柄の下落幅が大きくなったんですね。

そうですね。AI関連銘柄の下落の動きは2022年に入っても継続し、ロクやスナップ、ズームインフォ・テクノロジーズなどの、コロナショック以降グローバルAIファンドのパフォーマンスを牽引していたAI関連銘柄の一部が大きく下落し、基準価格は1月21日時点で、年初来で約13.7%も下落しました。

出所:三井住友DSアセットマネジメント
出所:三井住友DSアセットマネジメント

約1か月程度で26%の下落は半端ないですよね。凄いペースで株価が調整されたことが良く分かります。

PER(株価収益率)が高い企業の詰め合わせパックですから、影響が大きいのは仕方ないことです。

金融政策のスタンスの変化によりグローバルAIファンドの基準価格は大きく下落した。

今後の市場見通し、運用方針

インフレ懸念や米国の金融政策のタカ派的なスタンスへの変化などにより、グローバルAIファンドに組み込まれている高成長企業の株価が大きく下落したのは良く分かりました。それを踏まえた上で今後はどうなりそうですか??

現状として、これらの企業の株価収益率(バリュエーション)の割高感は薄れつつあります。グローバルAIファンド全体のバリュエーションで見た場合でも、1月18日時点の保有銘柄における1年先予想PERは平均26.1倍と、運用開始来の平均31.3倍を下回る水準のようです。

そうなんですか。かなり調整は落ち着いてきた感じもしますね。

最近の投資行動としては、今後の株価上昇のきっかけとなる話題性の低下した高成長銘柄を売却し、収益化見通しの確信度が高い銘柄の組入比率を高めているようです。成長、バリュエーション、クオリティのバランスを考慮したポートフォリオの維持を行い、引き続き企業の技術革新を重視する銘柄選別を継続するようです。

ファンドの方針は分かったけど、経済状況の見通しはどうなんですか??

経済状況は概ね良好であり、記録的な求人数、個人の良好なバランスシート、少ない企業在庫等を背景に、引き続き堅調に推移していくと予想しているようです。また、時間の経過とともにサプライチェーンの制約は緩和され、インフレ圧力が低下するとみられることから、米国の金融政策に対する過度な市場の反応はやがて落ち着いていくと予想しているようです。

出所:三井住友DSアセットマネジメント

2022年に入って組入比率を変更した銘柄とは??

そこまで気にする必要はないと思いますが、2022年に入って組入比率を変更した銘柄もレポートにありましたのでまとめておきます。

シュルンベルジェ(引上げ)

出所:三井住友DSアセットマネジメント

組入比率引き上げの主な理由は、この銘柄は油田関連サービス提供企業であり、エネルギー価格高止まりに加えて、同社が近年注力している利益率の高いデジタル&インテグレーション部門の貢献が高まっており、今後の業績上振れが期待できるため。

ディア(引上げ)

出所:三井住友DSアセットマネジメント

組入比率引き上げの主な理由は、農業分野における人手不足が深刻化するなか、同社のAIを活用した農機への需要が一段と高まっており、堅調な業績が期待できるため。

アトラシアン(引上げ)

出所:三井住友DSアセットマネジメント

組入比率引き上げの主な理由は、同社はプロジェクト、ワークフロー管理ツールを開発しており、市場予想を上回る良好な業績が続いているにもかかわらず、市場全体の流れを受けて株価が大きく調整されたため。

ペイパル・ホールディングス(引下げ)

出所:三井住友DSアセットマネジメント

組入比率引下げの主な理由は、同社はオンライン決済サービス提供企業であり、コロナ禍における需要の一部剥落や、フィンテック業界の競争激化により、成長維持のための更なる投資も必要も迫られると考えられるため。

まとめ

今回は、三井住友DSアセットマネジメントよりグローバルAIファンド(予想分配金提示型)のレポートの内容を解説しました。

まとめると以下になります。

2021年12月中旬以降、インフレ懸念の高まりなどを背景とした米国金融政策のタカ派的なスタンスへの変化などから、短期的な投資家により売り圧力が増し、AI関連銘柄の一部が大きく下落。

特に巣籠もり消費関連などのコロナショック以降に大きく上昇したAI関連銘柄が大きく調整し、グローバルAIファンドの基準価格に影響。

今後もデジタル化や生産性向上技術へのニーズが引き続き高まると予想され、特にAIを中心としてイノベーションを起こす企業が好業績を上げる可能性が高いと予想。

良好な業績やバリュエーション面で割高感が薄れつつある銘柄への投資に重点を置き、グローバルAIファンドのパフォーマンス向上に努める方針。

結論として、ファンドの方針は大きくは変わらないので現時点の金利の影響を大きく受けやすいということは変わらないです。目先はかなり辛い局面が続くと思われます。ただファンドの運用自体には問題はないと思いますので、長期保有の予定であれば継続で良いと思います。

以上、お役に立てれば嬉しいです。

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