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【安定の分配金】11月のピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の分配金報告

2023年11月22日

こんにちは。かわ吉です。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の11月の分配金が発表されました。

11月の分配金はこちらになります。

ちなみに10月はこちらになります。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算型・予想分配金提示型)は2カ月連続の分配金となりました。分配金は75円です。決算日の前営業日の基準価格に応じた分配方針通りの分配金が支払われました。

ちなみにこのファンドの分配方針は以下になります。

人気のインカムファンドであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースの分配方針と比較すると分配方針は細分化されています。

このファンドの詳細や魅力は以下の記事で解説しておりますので是非チェックしてください!!

ここ数年は、米国株ブームもあり、米国株や先進国株がメインの投資対象であるインカムファンド(AB米国成長株投信や世界のベスト)に集中投資している人も多いと思います。

今後、経済成長率で比較すると先進国より新興国の方が高くなる見通しであり、新興国株が先進国株をアウトパフォームするフェイズが来るかもしれません。

そのように考えると短期的には、AB米国成長株投信や世界のベストでは安定したインカムが狙えないかもしれません。ということはこれらのファンドに以外に分散投資して、インカムの収入源を増やすことも大切だと思います。

そして、その分散投資の対象として有効になるかもしれないのが、ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)だと考えています。

このファンドのコンセプトや予想分配金提示型などの仕組みは非常に投資妙味を感じます。

ただ一方でこのファンドは2023年4月に設定されたばかりの新設ファンドです。

つまり、実力は未知数です。ということは、基準価格や分配金実績の経過観察をして投資判断をするべきだ思います。

そこで、毎月発行される月次レポートをベースにこのファンドの動向をチェックしていこうと思います。

この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。

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ファンドの基本情報

■ファンドの現況

基準価格と純資産総額の推移は以下になります。

基準価格は、対前月比で▲355円となりました。一方で純資産は+2.3億円となっています。今のところは順調に推移しています。

基準価格も大切ですが、それ以上に純資産はもっと大切です。これが少ないと繰上償還のリスクが高まるからです。一般的には純資産が30億円を下回るとそのリスクは高まります。繰上償還されると投資家の意向は関係なく強制解約されますからね。だから、まずはこのファンドに純資産30億円の壁を突破して欲しいところです。

ちなみに基準価格変動の内訳は以下になります。

10月は、株価・為替ともに下落しました。

ポートフォリオの状況

国別の投資比率は以下になります。

国別の投資比率は、先月と比較して大きな変化はありません。投資比率が一番高い国はインドとなっています。

投資比率については、特定の国に偏ってはいません。およそ20%前後で投資比率が抑えられています。

新興国株投資は、先進国株投資と比較してカントリーリスクが高いので、分散投資が基本です。一般的に新興国は政治・経済・社会情勢が先進国と比較して不安定ですから。

続いて業種別投資比率はこちらになります。

引き続き金融セクター中心のポートフォリオとなっています。ただ、直近は徐々にその比率が下がりつつあります。

先月に投資比率が急上昇した不動産セクターについては約3%程度減少しました。

続いて組入上位10銘柄についてチェックします。

組入比率が最も高いゴールド・フィールズは、南アフリカの金産出会社です。オーストラリア、ガーナ、ペルー、南アフリカなどで金鉱山の開発・操業を行っています。このような金鉱株は、金投資にレバレッジ効果を利かせるときに有効な投資対象です。ただし、非常にリスクが高いのでこれらの銘柄に個別投資する際は、投資比率には十分注意しましょう。

2番目に投資比率が高いフィメント・エコノミコ・メヒカーノはメキシコの総合飲料会社です。コカ・コーラ社システムの一部として中南米で事業展開するほか、コンビニエンス・ストアなども展開。またハイネケン社にも投資を行っています。

組入上位10銘柄は先月と比較すると大きく変動しています。これは、1銘柄当たりの組入比率が3%前後に抑えらているためです。少し相場変動や、売買ですぐに上位10銘柄は入れ替わります。

これはしっかり分散投資がされている裏返しでもありますので投資家にとっては良いことだと思います。

ポートフォリオの状況

■市場概況

10月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で下落となりました。

新興国株式市場は月初、米金融当局者が再び利上げを行う可能性を示唆したことを受けて米長期金利が上昇したほか、中国経済に対する不安感が拭えないことなどから、低調なスタートとなりました。その後、複数の米金融当局者が、年内の追加利上げを見送るとの見方を後押ししたことで、米長期金利の上昇が一服したことや、中国の新たな景気刺激策への期待などを受けて上昇する局面もありました。しかし、月半ば以降は、中東情勢のさらなる緊迫化や、米長期金利が一時5%台に到達するなど再び急上昇したことなどから、投資家のリスク回避の動きが強まり、下落基調となりました。
国別(現地通貨ベース)では、中国は、景気先行きに対する不安や不動産開発大手企業の経営危機などを受けて下落しました。ただし、月後半には財政出動などの景気刺激策や政府系ファンドによる買い支えなどにより、下げ幅が縮小しました。インドは、金融セクターを中心に下落しました。また、複数のITサービス企業から予想を下回る直近決算の発表や慎重な見通しが示されたことなどを受けて、情報技術セクターも下落しました。南アフリカは、金価格の上昇を背景に金鉱株は上昇したものの、その他の多くの銘柄が下落したことが響き、全体でも下落となりました。ブラジルは、主力の素材銘柄が、配当や自社株買いなどの株主還元策を発表したほか、中国の財政出動に伴い需要が拡大するとの期待などから上昇した一方で、その他の多くの銘柄は下落しました。
当ファンドでは、中国は投資対象国から除外されているため、中国株式の組入れはありません。

■今後のポイント

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更ありません。
新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にあります。
東南アジアについては、アジアにおける製造拠点の分散化の流れなどから恩恵を受けると予想されます。
南米では、メキシコは、米企業などの「ニアショアリング(事業拠点の近隣移転)」として恩恵を受けると期待されます。また、ブラジルは依然として政策金利は高水準ですが、利下げに転換しています。
一方、インドについては、足元の景気動向についても概ね良好で、長期的にも相対的に高い経済成長が期待できるとみてい
ます。しかし、バリュエーションは相対的に高水準で、銘柄選別が重要になると考えます。
イスラエルへのイスラム組織ハマスによる奇襲攻撃に端を発した中東情勢に関しては、紛争は局地的なものにとどまる可能性が高いと考えます。また、投資しているアラブ首長国連邦とサウジアラビアなどは渦中のイスラエルおよびパレスチナ自治区の隣国ではありません。ただし、株式市場への影響という点では、影響を及ぼす可能性が高いとみていますが、依然同地域への投資妙味はあると考えられます。今のところ原油の流通に直接的なリスクをもたらすようには見えませんが、紛争の悪化は、すでに逼迫している原油市場に深刻な影響を及ぼす可能性があります。気候変動への配慮もあり、石油生産への投資が抑制される一方で、中国やインドなどからの需要は伸び続けているため、石油価格は「長期的に上昇する」と引き続き考えています。当ファンドは、ブラジル石油公社をはじめとしたエネルギー関連銘柄を保有しており、エネルギーセクターに注目しています。

今後も個人的には期待できるインカムファンド

今の基準価格を維持できれば、来月も分配金が期待できそうです。非常に良いタイミングで設定されたファンドなので今後が非常に楽しみです。

ただ、このファンドはあくまで新興国株ファンドなのでリスクは比較的高めです。なので、このファンドへの集中投資は止めましょう。あくまでも先進国株式や米国株式を土台として築いた上で、スパイス的な要素で投資してください。

もちろん集中投資すれば大きなリターンを狙うことができるかもしれませんが、ハイリスクなので私はオススメしません。

あとこのファンドの課題は、販売会社が圧倒的に少ないことです。

現状の販売会社は以下の4社のみです。当初は3社でしたが、SBI新生銀行でも取り扱いが始まりました。徐々に販売会社が増えれば投資家の選択肢も広がりますね。

ちなみに『SBI証券があるので問題ないだろう!』と感じた方も多いかもしれませんが、このファンドはSBI証券において対面販売のみの買付しか受け付けていない(2023年7月時点)ので、手軽には投資できません。この点にはご注意ください。

本音を言うと、圧倒的な還元率の投信毎月現金・ポイント還元サービスがある松井証券で取り扱ってくれればインカム投資家にとっては、非常に有難いと思うのですが。

松井証券さま!!是非取り扱いをよろしくお願いいたします!!

以上、お役に立てれば嬉しいです。引き続きこのファンドの動向は追っていきます!!



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