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【4か月連続の分配金】10月のピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の分配金報告 【ポートフォリオに変化アリ!!】

2023年10月21日

こんにちは。かわ吉です。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の9月の分配金が発表されました。

9月の分配金はこちらになります。

ちなみに8月はこちらになります。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算型・予想分配金提示型)は2カ月連続の分配金となりました。分配金は75円です。決算日の前営業日の基準価格に応じた分配方針通りの分配金が支払われました。

ちなみにこのファンドの分配方針は以下になります。

人気のインカムファンドであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースの分配方針と比較すると分配方針は細分化されています。

このファンドの詳細や魅力は以下の記事で解説しておりますので是非チェックしてください!!

ここ数年は、米国株ブームもあり、米国株や先進国株がメインの投資対象であるインカムファンド(AB米国成長株投信や世界のベスト)に集中投資している人も多いと思います。

今後、経済成長率で比較すると先進国より新興国の方が高くなる見通しであり、新興国株が先進国株をアウトパフォームするフェイズが来るかもしれません。

そのように考えると短期的には、AB米国成長株投信や世界のベストでは安定したインカムが狙えないかもしれません。ということはこれらのファンドに以外に分散投資して、インカムの収入源を増やすことも大切だと思います。

そして、その分散投資の対象として有効になるかもしれないのが、ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)だと考えています。

このファンドのコンセプトや予想分配金提示型などの仕組みは非常に投資妙味を感じます。

ただ一方でこのファンドは2023年4月に設定されたばかりの新設ファンドです。

つまり、実力は未知数です。ということは、基準価格や分配金実績の経過観察をして投資判断をするべきだ思います。

そこで、毎月発行される月次レポートをベースにこのファンドの動向をチェックしていこうと思います。

この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。

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ファンドの基本情報

■ファンドの現況

基準価格と純資産総額の推移は以下になります。

基準価格は、対前月比で▲414円となりました。一方で純資産は+3.0億円となっています。今のところは順調に推移しています。

基準価格も大切ですが、それ以上に純資産はもっと大切です。これが少ないと繰上償還のリスクが高まるからです。一般的には純資産が30億円を下回るとそのリスクは高まります。繰上償還されると投資家の意向は関係なく強制解約されますからね。だから、まずはこのファンドに純資産30億円の壁を突破して欲しいところです。

ちなみに基準価格変動の内訳は以下になります。

9月は、株価は下落しましたが為替は現状維持となりました。

ポートフォリオの状況

国別の投資比率は以下になります。

国別投資比率については大きな変化がありました。これまで9%程度だったインドの比率がここにきて18.6%となりポートフォリオに占める比率が一番高くなりました。

インドの比率は大きく高まりましたが、1か国の投資比率は20%以下で抑えられています。ひとまず、全体的には分散投資されているという認識でOKです。

新興国株投資は、先進国株投資と比較してカントリーリスクが高いので、分散投資が基本です。一般的に新興国は政治・経済・社会情勢が先進国と比較して不安定ですから。

ちなみに変化があったのは、国別投資比率だけではありません。セクター別投資比率についても大きな変化がありました。

これまで小さかった不動産セクターの投資比率が8.9%に上昇しました。

全体的な傾向としては金融セクターの比率が高いという認識でOKです。

続いて組入上位10銘柄についてチェックしてみましょう。投資セクターの比率が大きく変動したので組入上位10銘柄についても変化がありました。

組入比率が最も高いエマール不動産とは、不動産の投資、開発、ショッピングセンター、小売りセンター、ホスタビリティ、不動産管理サービスを手掛けるUAEの企業です。先月はランクインしていませんでしたが、9月は一気に1位まで駆け上がりました。

そして2番目に高いエミレーツNBDとは、UAEの銀行・金融サービス会社で、法人及び個人向け銀行業務やプライベート・バンキング、イスラム銀行商品なども手掛けています。

組入上位10銘柄は先月と比較すると大きく変動しています。これは、1銘柄当たりの組入比率が3%前後に抑えらているためです。少し相場変動や、売買ですぐに上位10銘柄は入れ替わります。

これはしっかり分散投資がされている裏返しでもありますので投資家にとっては良いことだと思います。

市況状況と今後のポイント

■市場概況

9月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で下落となりました。

新興国株式市場は月初から月半ばにかけて、中国の住宅ローン規制緩和などをはじめとする景気刺激策への期待や、経済安定化の兆しを示唆する経済指標の発表などを受けて上昇する局面もありましたが、米長期金利の上昇などが重荷となり、一進一退の展開となりました。月後半にかけては、米金融当局が政策金利の据え置きを決定したものの、依然としてタカ派姿勢を維持し、金利は長期にわたって高水準が続くとの警戒感が高まったことなどが、新興国株式を含むリスク資産にとって逆風となりました。また、中国の不動産業界における信用問題の再燃や景気先行き不透明感などもマイナス材料となり、月間でも下落となりました。

国別(現地通貨ベース)では、インドは、小幅な上昇となりました。8月31日に発表された2023年4-6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比7.8%増と市場予想を上回る高成長となり、特に内需の堅調さが示されました。

セクター別では主力のITサービスを中心とした情報技術や、電力需要の増加などを背景に公益事業も上昇しました。ブラジルは、原油価格の上昇を背景にエネルギーセクターの銘柄が上昇したものの、全体では相対的に小幅ながら下落となりました。台湾は、米ハイテク銘柄の株価下落などの流れを受けて、主力の情報技術セクターの銘柄を中心に下落しました。韓国はバッテリー素材関連銘柄が大きく下落したほか、幅広いセクターで下落となりました。南アフリカは、金価格の下落などを受けた素材セクターの銘柄や、事前予想を下回る決算となった金融セクターの銘柄を中心に、下落となりました。中国は、景気刺激策への期待や景気底入れ期待などの一方、不動産業界における信用問題の再燃や根強い景気先行き不透明感などが重荷となり、相対的に大きく下落しました。

■今後のポイント

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更ありません。
新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にあります。
さらに、アジアを中心に新興国は「デジタル化」や「テクノロジー」の分野をけん引する存在であるとともに、脱炭素など世界的な環境課題においても、CO2(二酸化炭素)排出削減などで重要な役割を担いつつあるとみており、これまで見過ごされてきた、あるいは新たな価値の発掘につながる可能性があると期待しています。

5か月連続の分配金も射程圏内

今の基準価格を維持できれば、来月も分配金が期待できそうです。非常に良いタイミングで設定されたファンドなので今後が非常に楽しみです。

ただ、このファンドはあくまで新興国株ファンドなのでリスクは比較的高めです。なので、このファンドへの集中投資は止めましょう。あくまでも先進国株式や米国株式を土台として築いた上で、スパイス的な要素で投資してください。

もちろん集中投資すれば大きなリターンを狙うことができるかもしれませんが、ハイリスクなので私はオススメしません。

あとこのファンドの課題は、販売会社が圧倒的に少ないことです。

現状の販売会社は以下の4社のみです。当初は3社でしたが、SBI新生銀行でも取り扱いが始まりました。徐々に販売会社が増えれば投資家の選択肢も広がりますね。

ちなみに『SBI証券があるので問題ないだろう!』と感じた方も多いかもしれませんが、このファンドはSBI証券において対面販売のみの買付しか受け付けていない(2023年7月時点)ので、手軽には投資できません。この点にはご注意ください。

本音を言うと、圧倒的な還元率の投信毎月現金・ポイント還元サービスがある松井証券で取り扱ってくれればインカム投資家にとっては、非常に有難いと思うのですが。

松井証券さま!!是非取り扱いをよろしくお願いいたします!!

以上、お役に立てれば嬉しいです。引き続きこのファンドの動向は追っていきます!!



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