こんにちは。かわ吉です。
最近はウクライナ情勢で株価が振り回されています。どうしても目先で起こっているイベントの方に意識が向いてしまうのが人間というものです。
ただ、ウクライナ情勢も株式市場に与える影響は大きいですが、それ以上に米連保準備制度理事会(FRB)の金融政策は株式市場に大きな影響を与えます。
確かにウクライナ情勢でFRBの金融政策については少し意識が薄らいでいたかもしれません。ウクライナ情勢が落ち着いてもFRBの利上げ問題は何1つ解決していませんでしたね。。。
そうなんですよ。。。今回は、FRBの金融政策についておさらいでアライアンスバーンスタイン社のレポートをベースに解説します。
ポイントとしては以下になります。
3月の政策金利引き上げはほぼ間違いない
それ以降、FOMCのたびに利上げする可能性や、一度に25bpを超える幅での利上げを行う可能性は排除されていない
労働市場は何度かの利上げを乗り切るだけの力強さがある
株式市場の反応は警戒を要するものではなく、FRBの考えを変えるものではない
バランスシートの縮小は迅速に開始し、前回よりも急速かつ大幅に縮小する
株価収益率(PER)が高い企業の詰め合わせパックであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信は利上げの影響が大きくなる可能性が高い
今回の記事を読んでいただくと以下のメリットがあります。
FRBの金融政策のスタンスを理解して整理することができる
FRBの金融政策がアライアンスバーンスタイン米国成長株投信にどのような影響があるか分かる
この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。
ではいきましょう。
①労働市場と金融市場の観点
そもそもパウエル議長はなぜタカ派的になったんですか??
その理由は労働市場の改善が考えられます。
これまでの利上げの障害となっていたのは、労働市場が完全雇用に達していないことへの懸念であり、「労働市場は強いだけではなく、何度かの利上げに耐えられるほど強い」と明言したことは、複数回の利上げが待ち構えていることを示す明確なシグナルとなります。
パウエル議長は、最近の金融市場の変動がFOMCの考えに影響を与えているかとの質問に対し、FRBは1つの市場をだけを見ているのではなく、金融環境の持続的な変化の兆しを探るために幅広い市場をモニターしていると回答しました。パウエル議長は、FRBと史上のフィードバック・ループが機能し、政策見通しの変化に応じて金融市場が調整していることに満足の意を表明しました。
え??それってかなりヤバいと思うのですが。。。FRBは株価が大きく調整されることを望んでいるという意味ですか??
いえ、どうやら必ずしもそのようなわけではないようです。
アライアンスバーンスタイン社はこの点については心配不要と判断しています。アライアンスバーンスタイン社は、株価の下落が大きく加速した場合にFRBがどこかの時点で介入に乗り出す「フェドプット」があると考えているようです。
ただそのポイントはは現在の市場から遠く離れている可能性が高いようです。株価が持続的にかなり大幅に下落しなければ、FRBに方針転換を促すことは難しいと考えているようです。
労働市場の改善は利上げのGOサイン。FRBも株価がある程度調整されるのは覚悟で金融政策を進める可能性が高い。
②FRBの短期的な金利見通しを描き出す
アライアンスバーンスタイン社は短期的な見通しとしてどのようなシナリオを描いているのですか??
そのシナリオは以下になります。
FOMCが3月に25bpの利上げを開始し、6月にも追加利上げを行うと想定されます。FRBがより積極的に行動する緊急性を感じているとすれば、3月の利上げ幅を50bpとするよりも、5月に25bpの追加利上げを行う可能性が高いと考えます。特に引き締めサイクルの初期においては、FRBはより大きな動きを試す前に、経済や市場の反応を見極めるために徐々に動きたいと考える可能性があります。
それ以降の見通しはどうですか??落ち着きを取り戻る可能性が高いですか??
どうやらそれ以降は不透明感が強くようです。
アライアンスバーンスタイン社は9月にもさらなる利上げを予想しているが、それ以降については不透明感が強いとみているようです。アライアンスバーンスタイン社の予想通りインフレ率が低下し、経済成長が鈍化すれば、FOMCは今年後半に利上げを休止する可能性が高いですが、そうならなければFRBは経済状況に変化が生じるまで利上げを続ける可能性が高いと考えています。
引き締めサイクルの序盤は、大きく利上げをするというよりは利上げ回数を増やすことで対応する可能性が高い。9月以降についてはそのときの経済状況になってみないと分からない部分が多い。
③バランスシートの縮小:遅くなるよりも早期に
利上げについてはなんとなく分かってきました。ただ、懸念事項は利上げだけでなくバランスシートの縮小もありますよね??
仰る通りです。バランスシートの縮小については以下のように解説されています。
短期的には、FRBは量的緩和を縮小し、債券買い入れは3が上旬が最後になるとみられています。その直後から、FRBはバランスシートの拡大から縮小に家事を切ることになる可能性があります。
FRBは、バランスシート縮小計画の指針となる基本的な考え方を発表しました。この声明は極めて一般的な内容で、FRBがバランスシートの縮小に着手する時期や、そのペースに関する情報は含まれていません。しかし、FRBがこの声明を発表したことは、縮小プロセスを早期に開始する意思を示す強いメッセージになりました。最初の利上げからバランスシートの縮小に着手するまでの期間は、数四半期ではなく数か月になる可能性が高いです。
FRBの考え方では、縮小プロセスが予想可能なものとする方針が明確に示されているため、実際に縮小プロセスが開始される前にさらなる詳細が明らかにされる可能性があります。
そのため、アライアンスバーンスタイン社は引き続き、縮小開始時期は7月になる可能性が最も高く、6月の利上げを同時にそれが発表されると予想しています。米国経済の好調な動きを踏まえれば、FRBがバランスシートの縮小に着手した後、前回のサイクルよりも早いペースでそれが進むと考えられます。また、バランスシートの規模は絶対額ベースでもGDPに対する比率で見ても、2015年から2019年までのサイクルに比べはるかに大きくなっているため、縮小は急ピッチで進む可能性が高いです。
FRBは軸足を急速かつ明確に変えた。インフレ状況が悪化しない限り、今後数か月間は金融引き締めに向けて着実な歩みを進めていくことになる。実際に引き締めに着手すれば、早足は疾走に転じることになる。
④アライアンスバーンスタイン米国成長株投信に与える影響
アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の利上げ局面の耐性について過去の記事で解説しました。
結論としては以下になります。
利上局面では、株価収益率(PER)の高い企業の株価の方が売られやすい傾向がある。
アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の組入上位10銘柄のPERの平均は、S&P500種指数の平均より高い。
つまり、利上局面ではアライアンスバーンスタイン米国成長株投信はS&P500種指数よりも下落幅が大きくなる可能性があるし、これは利上局面に対する耐性は強くない可能性がある。
アライアンスバーンスタイン社の基本シナリオで考えると、利上げペースの見通しが不透明であることを考えればアライアンスバーンスタイン米国成長株投信の基準価格に与える影響はかなり大きくなる可能性があります。
株価=EPS(1株当たりの利益)×PER(株価収益率)
株価は、以上の式で表すことができます。金利が上昇すればPERが調整されますから、企業業績が変化なくても株価が下がる要因になります。アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の上位10銘柄はこのPERが高い企業が多いからより影響を受ける可能性が高いです。一方で、EPSについてはアライアンスバーンスタイン米国成長株投信の組入上位10銘柄は伸びている企業が多いので金利が上昇してもそれをEPSでカバーできれば下落幅を小さくすることができます。
アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の組入上位10銘柄の決算については良い銘柄の方が多かったのでその点は安心材料になると思います。メタのように決算をしくじる企業がこれ以上出てこないことを祈りましょう。。。
金利上昇に企業業績の伸びが耐えられるかどうかがアライアンスバーンスタイン米国成長株投信の動きを決める!!アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の銘柄選定能力の強さを発揮するときだ!!
まとめ
今回は、ウクライナ情勢で少し影が薄くなったFRBの金融政策とそれがアライアンスバーンスタイン米国成長株投信に与える影響についておさらいしました。
内容をまとめると以下になります。
労働市場の改善は利上げのGOサイン。FRBも株価がある程度調整されるのは覚悟で金融政策を進める可能性が高い。
引き締めサイクルの序盤は、大きく利上げをするというよりは利上げ回数を増やすことで対応する可能性が高い。9月以降についてはそのときの経済状況になってみないと分からない部分が多い。
FRBは軸足を急速かつ明確に変えた。インフレ状況が悪化しない限り、今後数か月間は金融引き締めに向けて着実な歩みを進めていくことになる。実際に引き締めに着手すれば、早足は疾走に転じることになる。
金利上昇に企業業績の伸びが耐えられるかどうかがアライアンスバーンスタイン米国成長株投信の動きを決める!!アライアンスバーンスタイン米国成長株投信の銘柄選定能力の強さを発揮するときだ!!
株価を決める要因は『金利7割・業績3割』と言われていることもあり、FRBの金融政策の行方は最優先事項です。これについては要チェックです!!
以上、お役に立てれば嬉しいです。
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