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【連続分配10年超】ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコースに投資すべきか??【宝くじファンド】

2023年1月20日

こんにちは。かわ吉です。

投資信託でインカムを狙うなら、高い分配金利回りのファンドへ投資したいところですよね??

もちろん、分配金の『量』と『質』のバランスは重要ですが。

分配金利回りのみに着目して投資判断をするのは大変危険です。

しかし、ファンドの中身を時間を掛けて分析する余裕はない方も多いと思います。

そこで、かわ吉ブログではそのような投資家のために投資信託を分析する記事を定期的に書いています。

今回、分析するファンドは『ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース)』です。

このファンドは10年以上途絶えることなく分配金を出しています。直近1年の分配金利回りは15%を超えています。

分配金利回りのみに着目すれば、非常に魅力的なファンドに見えますが、実際のところ投資するメリットがあるか否か分析してみようと思います。

この記事が、インカム狙いの読者の資産運用の一助になれば幸いです。

ではいきましょう。

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①ファンドの概要

出所:ピクテ・ジャパン

まずはこのファンドの概要をまとめてみます。

委託会社ピクテ・ジャパン
純資産(1/13)1,068億円
基準価格(1/13)11,540円
決算頻度毎月
設定日2004年10月19日
償還日2028年7月26日
信託報酬年率2.09%
信託財産留保額なし
出所:ピクテ・ジャパンのデータを元にかわ吉作成

このファンドの概要から分かることは以下になります。

・純資産は1,068億円あり、早期償還のリスクは低い

・償還日まで5年以上あり、中長期運用も可能

・毎月分配型のため、インカムを毎月狙うことが可能

・信託報酬は高め

・毎月分配型ではあるが、たこ足分配特有の低い基準価格ではなく、基準価格は10,000円以上をしっかりキープしている

②ファンドのコンセプト

このファンドのコンセプトは以下になります。

特色①:主に世界のバイオ医薬品関連企業の株式に投資します

・高い成長が期待される世界のバイオ医薬品関連企業の株式に投資することにより、信託財産の積極的な成長を目指すことを基本とします。

そもそもバイオ医薬品とは、免疫力の低下や体の機能の異常といった病気の原因に直接働きかけるなどして治療する薬です。

一般医薬品とバイオ医薬品の違いは以下になります。

出所:ピクテ・ジャパン

バイオ医薬品の強み・特徴は以下になります。

・体の悪い所にピンポイントで作用するため、比較的副作用が少ない

・生物の資源の力を活用するので体に優しい

・近い将来、技術革新により不治の病とされている疾患を持つ患者を助けることができる可能性を秘める

特色②:原則として為替ヘッジを行わない

実質組入外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。為替リスクはあります。

特色③:毎月決算を行い、収益分配方針に基づき分配を行います

予想分配金提示型とは異なり、基準価格の水準による明確な分配方針はありません。

インベスコ世界厳選株式オープンと同じという認識でOKです。

③具体的な組入銘柄と投資比率

まずは国別の投資比率からチェックしてみましょう。

出所:ピクテ・ジャパンのデータを元にかわ吉作成

ポートフォリオの約90%は米国株で構成されていますから、このファンドは米国株の動向に大きく左右されるという認識でOKです。

では次に具体的な個別銘柄についてチェックしてみましょう。

出所:ピクテ・ジャパン

組入上位10銘柄も米国株の比率が高いことが分かります。

では続いて業種別の組入比率についてチェックしてみましょう。

ポートフォリオの80%以上がバイオテクノロジーで構成されています。

④金利敏感・景気敏感・ディフェンシブに分けるのは難しい

かわ吉ブログでは、ポートフォリオを金利敏感株・景気敏感株・ディフェンシブ株の3つに分けてリスク度合いを測るようにしています。

参考:ポートフォリオを以下の3つに分けることで、そのファンドのリスクがざっくりではありますがイメージできます。

①金利敏感株:金利動向の影響を強く受ける銘柄でリスク度合いが大きい

②景気敏感株:景気動向の影響を強く受ける銘柄でリスク度合いは大きい

③ディフェンシブ株:金利動向や景気動向に左右されにくい銘柄で比較的リスク度合いが小さい

ただ、このファンドについては、月次レポートをチェックして、これら3つに区別して比較することが難しかったので、組入銘柄を全てチェックしてポートフォリオの特徴を分析してみます。

個別銘柄の分析から、このファンドの投資戦略が見えてきました。

大半はゴミ銘柄で構成され、その損失を一部の大当たり銘柄でカバーする戦略

このように感じた理由は、PERを分析して分かりました。

全組入銘柄のPERは以下になります。

コードPER
ACAD
ADPT
AGIO
ALNY
AMGN21.77
FPLD
AZN107.15
688235
BMRN270
BIIB14.68
BNTX3.28
BLUE
BPMC
BBIO
CMRX1.18
CHRS
CTMX
EDIT
ENTA
EXEL17.31
FGEN
GILD32.62
GRF132.35
GH
HALO33.78
ILMN
IBRX
INCY20.54
NTLA
ICPT2.84
IONS688.14
IOVA
IRWD12.26
MDGL
MEDP35.08
MRNA6.94
MYGN
NKTR
NBIX187.71
PTC48.98
PACB
PCRX94.59
PRTK
REGN15.23
SAN17.93
SRPT
SGEN
SUPN64.13
SYNH12.63
TVTX
RARE
UTHR17.5
VNDA68.63
VRTX23.75
VTRS17.49
9688
ALKS
HZNP46.57
JAZZ
RPRX33.94
TBPH1
QURE
出所:ピクテ・ジャパンのデータを元にかわ吉作成

簡単に説明しておくと、PERとは株価収益率を表しています。

PERとは、株価が1株当たりの純利益(EPS)の何倍まで買われているか、すなわち1株当たり純利益の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度です。

PERが低ければ割安・高ければ割高という見方もできます。

『ー』の銘柄はPERが『マイナス』ということことです。つまり赤字企業ということです。

63銘柄のうち32銘柄は赤字企業で構成されています。それらの銘柄の大半は値動きが軟調です。それらをPERが高い銘柄でカバーしている状態となっています。

バイオテクノロジー関連は、一発当てるか倒産するかといったものが多いでしょうから、そのような投資戦略でパフォーマンスが出せるのかもしれません。

ひとまず言えることは優良銘柄の詰め合わせパックではないということだと考えます。

⑤分配金:優秀な分配金実績

ファンドの特徴がイメージできたところで、重要な分配金をチェックしてみましょう。

このファンドは2011年9月以降、分配金が0だったことはありません。

以下のグラフをご覧ください。(サイズの関係上、省略されている月はありますが、毎月分配金は支払われています)

出所:楽天証券のデータを元にかわ吉作成

このことから以下のことが分かります。

①分配金は多少の変動はあるが比較的安定している

②分配金の『質』よりは『量』を優先している

③分配金は安定しているのでたこ足分配になるリスクはある

分配金について『質』よりも『量』を優先したい投資家は検討の余地があるファンドだと思います。

基準価格も10,000円を超えているので、分配金の『質』についても決して悪くないと感じます。

⑥リスク:高い

続きまして、このファンドのリスク度合いをチェックしてみましょう。

比較対象として、AB米国成長株投信BとMSグローバルプレミアム株式オープン(為替ヘッジなし)と比べてみましょう。

出所:楽天証券のデータを元にかわ吉作成

結論として、リスク度合いはAB米国成長株投信Bコースと同等もしくはそれ以上という認識でOKです。

つまり、投資初心者の方にはあまりオススメできないかもしれません。ポートフォリオの一部のみで保有するなら検討の余地があると思います。

⑦このファンドに投資すべきか??:検討の余地ありだが、コストは高い

インカムを狙う際に、このファンドは検討の余地があると思います。

ただ、リスクが高い点と、運用管理コストが高い点です。

ただ、運用管理コストの高さは適切な証券会社でこのファンドを保有すればあるカバーできます。

このファンドを保有するなら『松井証券』が圧倒的にお得です。

なぜなら松井証券には『投信毎月ポイント・現金還元サービス』によって、松井証券が受け取る信託報酬のうち0.3%を超える部分を全て投資家に還元しているからです。

松井証券でこのファンドを1,000万円買付して保有した場合、毎月3,750円の現金還元を受けられます。もちろんこれとは別に分配金も受け取ることができます。

長期で保有すれば、他の証券会社で保有した場合と比較して大きな差が生まれます。

しっかり証券会社を使い分けてお得に資産運用しましょう。

出所:松井証券

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