経済の話

【固定概念をぶっ壊そう!!】PERの新しい見方

こんにちは。かわ吉です。

株価が上昇し始めるとなんとなく『もうかなり株価も高いから売却しよう』と考える人も多いのではないでしょうか??でもその『高い』って思う根拠は何ですか??

過去の株価と比較して??なんとなく??株価が最高値圏だから??

これらってただの『感覚』ですよね??

感覚ではなく、数字的な根拠で株価の割高・割安を調べるモノサシとして『PER』という数字があります。

でもPERだけでは株価の割高・割安を判断するのは危険です。

本日は、なぜこの『PER』だけで株価の割高・割安の判断が難しい理由と、私たちは株価の割高・割安をこれからどのように判断していけばよいのか解説します。

『コロナの影響が大きいのに株価が上昇しているのはおかしい!!もう株価は割高だ!!』と考えられている読者に是非読んでいただきたい内容となっております。

『PER』というものさし

株式が好調な推移をたどる中、投信などを多く持つ日本人が競うように解約をしています。まだ何も保有していない人も『そろそろ下がりそうだから買うのを待ってみよう』とか考えている人も多いと思います。

確かに『割高・割安』の代表的指標であるPERを見ると、過去の平均レンジの上にまで高まっていることが分かります。

出所:JPモルガン

米国株で見ると2004年以降のPERの平均が15.2倍で現状が約23倍とかなりの高値圏にあると捉えることができます。

ちなみに『PER』とは株価を1株あたりの利益で割ったものをいいます。

市場の環境によって異なるが、一般的にはPERが25倍に近づくと割高と考えることが多く15倍に近づいたり下回ると割安だと言われることが多いんです。

そう考えると今のPERの水準はやはり高いと感じますよね。ただそれだけを持って『高すぎる』と判断するのは単純すぎかもしれないです。

基本的に投資家は、『その後の』企業利益の伸びと株価への反映を期待して株を買っています。

なので利益が下がった結果としてPERが高まるのであれば不健全ですが、利益の上昇が期待できる中でPERが高まっているなら、株価が先に上昇して『利益が後からついてくるのを待っている』状態と見ることもできるんです。

金利水準を含めて考えると??

プロ向けの概念に『株式益利回り』というものがあります。

これは株式益利回りはPERの逆数のことです。この数字は、株式への投資を債券投資のように利回りで考える方法です。

たとえば、資産家がある企業の株式を全部買い取って会社を自分のものにしたとき、その会社が1年で稼ぐ利益は『買収資金』に対する投資利回りになります。100億円でとある企業の株式をすべて買い取ってその企業が5億円の利益を生み出したとするとこの利益は実質的には100%株主のものになりますから5%の投資利回りと考えることができます。

債券の利息が原則固定であるのに対して、企業の利益は未確定であるのが違いとはいえ、この計算によって『%の世界』で債券投資との比較が可能になるんです。

仮に金利水準が高く債券投資で4%が得られる時代は益利回り4%(PER25倍)の株式は選びにくいですよね。

PER15倍(つまり益利回り66%)くらいでないと『利回り差』が十分ではなく買えないです。

しかし、今は少し金利事情がこれまでとは異なっています。新型コロナウイルスの影響で債券利回りが0%の今、益利回り4%(PER25倍)の株式投資は十分魅力的だと考える投資家も少なくないかもしれません。

これが『低金利時代の高PER』のひとつの考え方だと思います。

まとめ

今の株価の割高・割安かを判断する1つの代表的な指数としてPERがあります。このPERは15倍が割安で25倍に近づくと割高だと言われています。

現状は割高とされるPER25倍に近づいています。ただ金利水準も考慮した上でPERを見てみると決して割高とは言えないんです。

PERの逆数である益利回りで考えてみると少し見え方が変わってきます。

低金利時代である今は、必ずしもPER25倍がこれまで通り割高と判断していいかは怪しいところです。

時代によって市場の状況は異なり、以前まで使っていた『ものさし』が今も役立つかどうかは分かりません。

つまり、PERだけを判断材料として売ったり買ったりするとあまり良い結果にならないかもしれません。

投資初心者の方は、しっかり芯を持って目先の割高・割安には気にしない方がよいかもしれませんね。

ではまた

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