インカム投資

【2カ月連続の分配金】8月のピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の分配金報告

2023年8月21日

こんにちは。かわ吉です。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)の8月分配金が発表されました。

8月の分配金はこちらになります。

ちなみに7月はこちらになります。

ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算型・予想分配金提示型)は2カ月連続の分配金となりました。分配金は75円です。決算日の前営業日の基準価格に応じた分配方針通りの分配金が支払われました。

ちなみにこのファンドの分配方針は以下になります。

人気のインカムファンドであるアライアンスバーンスタイン米国成長株投信C・Dコースの分配方針と比較すると分配方針は細分化されています。

このファンドの詳細や魅力は以下の記事で解説しておりますので是非チェックしてください!!

ここ数年は、米国株ブームもあり、米国株や先進国株がメインの投資対象であるインカムファンド(AB米国成長株投信や世界のベスト)に集中投資している人も多いと思います。

今後、経済成長率で比較すると先進国より新興国の方が高くなる見通しであり、新興国株が先進国株をアウトパフォームするフェイズが来るかもしれません。

そのように考えると短期的には、AB米国成長株投信や世界のベストでは安定したインカムが狙えないかもしれません。ということはこれらのファンドに以外に分散投資して、インカムの収入源を増やすことも大切だと思います。

そして、その分散投資の対象として有効になるかもしれないのが、ピクテ・グローイング新興国株式ファンド(毎月決算・予想分配金提示型)だと考えています。

このファンドのコンセプトや予想分配金提示型などの仕組みは非常に投資妙味を感じます。

ただ一方でこのファンドは2023年4月に設定されたばかりの新設ファンドです。

つまり、実力は未知数です。ということは、基準価格や分配金実績の経過観察をして投資判断をするべきだ思います。

そこで、毎月発行される月次レポートをベースにこのファンドの動向をチェックしていこうと思います。

この記事が読者の資産運用の一助になれば幸いです。

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ファンドの基本情報

■ファンドの現況

基準価格と純資産総額の推移は以下になります。

基準価格は、対前月比で+246円(+2.16%)となりました。純資産も+3.1億円(+34%)増加しています。今のところは順調に推移しています。

基準価格も大切ですが、それ以上に純資産はもっと大切です。これが少ないと繰上償還のリスクが高まるからです。一般的には純資産が30億円を下回るとそのリスクは高まります。繰上償還されると投資家の意向は関係なく強制解約されますからね。だから、まずはこのファンドに純資産30億円の壁を突破して欲しいところです。

ちなみに基準価格変動の内訳は以下になります。

直近4カ月の基準価格の上昇要因は、株価:為替=2:1でした。先月まではこの比率が1:1でしたが、7月は株価の上昇が顕著でした。

ポートフォリオの状況

国別の投資比率は以下になります。

国別の投資比率は、南アフリカが少しずつウエイトを高めています。

6月と比較すると、南アフリカ・UAE・チリ・フィリピンの比率が高まりました。一方でブラジルの比率が比較的大きく下がっています。

全体的にポートフォリオに占める南アフリカの比率が高まっていますが、様々な国に分散投資されているので問題ないと思います。

新興国投資は、先進国投資と比較してカントリーリスクが高いので、分散投資が基本です。一般的に新興国は政治・経済・社会情勢が先進国と比較して不安定ですから。

セクター別の投資比率は以下になります。

先月に引き続き金融セクターの比率は、約40%となっています。

続いて組入上位10銘柄についてチェックしてみましょう。

組入比率が1番高い『グルポ・フィナンシエロ・バルノテ』は、メキシコの大手金融会社の一角を占めています。銀行業務、ホールセールスバンキング、保険、年金、老後貯金などのサービスを提供しています。

組入比率が2番目に高い『インドステイト銀行』は、インドの国内機関、個人客に対し幅広い銀行業務、金融サービスを提供しています。在外インド人を対象とした国際銀行業務も手掛けています。

組入上位10銘柄は先月と比較すると大きく変動しています。これは、1銘柄当たりの組入比率が3%前後に抑えらているためです。少し相場変動や、売買ですぐに上位10銘柄は入れ替わります。

これはしっかり分散投資がされている裏返しでもありますので投資家にとっては良いことだと思います。

市況状況と今後のポイント

■市場概況

7月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で上昇となりました。

新興国株式市場は月初、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨でタカ派的な内容が確認され、利上げサイクルの長期化懸念が再燃したことなどを受けて下落しました。その後、中国から発表された4-6月期国内総生産(GDP)成長率などの経済指標が予想を下回ったことで、景気刺激策への期待が高まったほか、米インフレ率の鈍化を受けて米利上げサイクルが終了に近づいているとの見方などが追い風となり、上昇に転じました。月後半も、引き続き中国の景気刺激策への期待などから、上昇基調が続き、月間でも先進国株式を上回る上昇となりました。

国別(現地通貨ベース)では、中国が景気刺激策への期待や、当局のテクノロジー企業への規制緩和の兆しなどを受けて、相対的に大きく上昇しました。南アフリカは、金融セクターなどを中心に上昇しました。インドは、月後半はやや失速したものの、月前半には良好な企業決算の発表などを受けて上昇し、月間でも上昇となりました。ブラジルは、最大の貿易相手国である中国の景気刺激策への期待などが追い風となり、素材セクターなどを中心に上昇しましたが、相対的に小幅な上昇率にとどまりました。

当ファンドでは、中国は投資対象国から除外されているため、中国株式の組入れはありません。

■今後のポイント

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更ありません。

新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にあります。また、インフレの伸び率の鈍化を受けて、米国の利上げサイクル終了が視野に入りつつあることは、一段の米ドル高の可能性を後退させ、新興国市場にとっても追い風となると考えられます。

さらに、アジアを中心に新興国は「デジタル化」や「テクノロジー」の分野をけん引する存在であるとともに、脱炭素など世界的な環境課題においても、CO2(二酸化炭素)排出削減などで重要な役割を担いつつあるとみており、これまで見過ごされてきた、あるいは新たな価値の発掘につながる可能性があると期待しています。

3か月連続の分配金も期待できる

今の基準価格を維持できれば、来月も分配金が期待できそうです。非常に良いタイミングで設定されたファンドなので今後が非常に楽しみです。

ただ、このファンドはあくまで新興国株ファンドなのでリスクは比較的高めです。なので、このファンドへの集中投資は止めましょう。あくまでも先進国株式や米国株式を土台として築いた上で、スパイス的な要素で投資してください。

もちろん集中投資すれば大きなリターンを狙うことができるかもしれませんが、ハイリスクなので私はオススメしません。

あとこのファンドの課題は、販売会社が圧倒的に少ないことです。

現状の販売会社は以下の3社のみです。

『SBI証券があるので問題ないだろう!』と感じた方も多いかもしれませんが、このファンドはSBI証券において対面販売のみの買付しか受け付けていない(2023年7月時点)ので、手軽には投資できません。この点にはご注意ください。

本音を言うと、圧倒的な還元率の投信毎月現金・ポイント還元サービスがある松井証券で取り扱ってくれればインカム投資家にとっては、非常に有難いと思うのですが。

松井証券さま!!是非取り扱いをよろしくお願いいたします!!

以上、お役に立てれば嬉しいです。引き続きこのファンドの動向は追っていきます!!

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